大けがを負った熙若を見て誰もが流産したに違いないと考えていたが、熙若の言葉に耳を疑う。「胎児は無事です」。嘘の妊娠を取り繕うまたとない機会を自らふいにしたのだ。一方、楽安公が刺客に命を狙われるという重大な事件に、黒幕探しが始まる。李家の鉄を狙う宋家の謀略とも考えられるが、果たして真犯人とその狙いは…。

熙若は「弘彬のことが好きだ」と弘煜に語るが、それを聞かされた弘煜の心境は複雑だ。一方、弘彬のことを諦めきれず自分を娶ってほしいと弘彬に懇願する如児。しかし、過去の様々な行いを咎められたうえ拒絶され、悲嘆にくれるのだった。そんな事情を知った宋治は、悲しみにつけこみ利用しようと如児に声を掛ける。

賭けに勝った宋治の要求は意外なものだった。熙若と二人で街へ出かける、というのだ。既婚者にもかかわらず熙若があっさりその要求を受け入れたことに腹を立てた弘彬だったが、跡をつけることを条件にしぶしぶ承諾するしかなかった。そして、ついにその日。街をひと通り散策し終えた宋治と熙若が向かったのは、なんと賭博場だった。

宋沁からもう会わないと言われた璟佑（エイユウ）は家に引きこもり、ものに当たり散らす始末。熙若がなだめても効果がない。一方、よくなったと思っていた熙若との関係が再びギクシャクしてきたように感じている弘彬は、その原因をはかりかねていた。阿有から、女心を掴むため何か贈り物をしてみては、と助言を受けるのだが…。

寒鉄堂で待つ弘彬は、熙若が約束の時間に現れないことを不審に思う。その時間、熙若は李家の金庫に忍び込んでいたのだ。広い庫内で秘宝の”四大羅漢図”が探すが、一向に見つからない。しかも重い扉が閉じられ、金庫から出られなくなった。熙若の身を案ずるも宋家への謝罪文を書くまでは外出できない弘彬はついに筆をとるのだが…。

弘彬はなぜ熙若が金庫にいたのか見当がつかない。一方、酔って宋沁への気持ちを明かしてしまった璟佑は、宋沁を避けるようになる。そのことが気に食わない宋沁は兄・宋治に相談するが、妹が恋をしていることに気付いた宋治は李家を出ることを決意し、弘彬に伝えに行く。しかし、あろうことか宋沁は璟佑と結婚すると言い出すのだった。

邸内で羅漢図の手がかりを見つけた熙若。羅漢像が庭の石灯篭に置かれていたのだ。熙若はそれを描き写し四大羅漢図を完成させる。母の命を守るため言われた通り絵を届けたにもかかわらず、熙若は阿霜たちに捕らえられ処刑されるはめに。そして、ついに羅漢図を手に入れることを命じた真の黒幕がその正体をあらわす。

逃亡した璟瑞（エイズイ）を追って弘彬が旅に出てからというもの、熙若は心配のあまり元気を失い食事ものどを通らない。その頃、ともに李家に恨みを持つ宋治と如児は密かに結託してある計画を練っていた。それは楽安公の前で熙若に妊娠が偽りであることを白状させるというものだった。熙若は真実を告げなくてはならない状況に追い込まれるが…。

葉知寒・寧心夫婦の家で暮らす熙若のもとにやってきた弘彬の機嫌が悪い。自分がいなくても楽しげな様子が気に食わないのだ。そんな弘彬に予期せぬ知らせが。熙若が今度は本当に妊娠したというのだ！喜ぶ弘彬だったが、璟瑞が戻ってくるとの情報を得て、先代の遺言書と羅漢図との関係を早急に解明するため李家の書庫に先回りする。

璟瑞を利用して李家の転覆を狙った謀略は失敗に終わったが、宋治は次なる策を打っていた。それは、如児に雲瑶に眠る鉄鉱脈をしるした地図を盗み出させるというものだった。しかし、如児は屋敷を物色しているところを弘彬に見つかり捕まってしまう。可愛がってきた如児の愚行に激怒した楽安公夫人は、絶縁し追放を言い渡す。

宋治に囚われた熙若を助けるため、鉱脈図を持って独り城外の竹林に駒を進める弘彬。頭をめぐるのは熙若との思い出の数々だった。そして、宋治の前に姿を現した弘彬は鉱脈図と引き換えに熙若を取り戻すのだが、宋治は二人を殺すよう手下に命じる。孤軍奮闘する弘彬に弘煜や璟佑が助太刀に加わり、壮絶な激闘が繰り広げられ…。

武林の若き盟主で四顧門の門主・李相夷（りしょうい）は師兄・単孤刀（ぜんことう）を殺した金鴛盟の盟主・笛飛声（てきひせい）と対決するが、毒に侵され海に落ち消息を絶った。10年後、方尚書（ほうしょうしょ）の嫡男で天機山荘の後継ぎ、方多病（ほうたへい）が江湖の治安を担う百川院で捜査員の刑探に志願、ある使命を帯びて旅立つ。その道中で蓮花楼医館を牽いてさすらう医者・李蓮花（りれんか）と出会い…。

方多病（ほうたへい）は死体が生き返る珍事件で李蓮花（りれんか）に一杯食わされるも当初の目的を果たそうと嘉州へ。そこで百川院に金鴛盟の残党の情報を寄せるも昇天し金身となったという霊山派の掌門・王青山（おうせいざん）について調べ始める。そこに首を突っ込んできたのが再び方多病の前に現れた李蓮花。彼は王青山が殺されたと推理すると、ある妙計を案じて…。

李蓮花（りれんか）と酒を酌み交わした方多病（ほうたへい）は自分が単孤刀（ぜんことう）の甥であると明かし李相夷（りしょうい）を師匠と慕うようになった経緯を語る。一方、李相夷だった過去を捨てて生き延びてきた李蓮花は死ぬまでに単孤刀の遺骨を探し出そうと、独りで金鴛盟の手がかりを追い始める。そんな二人が中元節に崑崙玉城の客桟で再会、奇妙な殺人事件に遭遇して…。

城主夫人の玉紅燭（ぎょくこうしょく）は殺された妹・玉秋霜（ぎょくしゅうそう）の護衛兵たちを皆殺しにした上、李蓮花（りれんか）を拷問しようとする。そこで方多病（ほうたへい）は百川院の刑探として捜査すると宣言すると1日の猶予をもらい、李蓮花と事件現場を調べ始める。なぜ犯人は玉秋霜の遺体を一瞬で封印された箱に入れられたのか？　その驚くべき真相に近づいていった二人は…。

玉秋霜（ぎょくしゅうそう）の哀しい死の真相が明らかとなり事件は一件落着。しかし、あることが気になった李蓮花（りれんか）は裏山ヘ行き、そこで笛飛声（てきひせい）を目撃する。一方、10年ぶりに金鴛盟の盟主に復帰した笛飛声は李相夷（りしょうい）なき今、自分が天下一だと自負していた。そして、失った功力を取り戻すべく一品墳にあるという霊薬・観音垂涙を得たいと考えて…。

朴鋤山に7体の首なしの屍があったと騒ぎになり、一品墳を盗掘した墓泥棒たちの遺体が出たのだと見抜いた李蓮花（りれんか）と方多病（ほうたへい）。二人は墓泥棒が集まる衛荘の宴に潜入、同業者のふりをして次に一品墳を狙う一味に加わる。だが、その中の一人、天漏派の張慶獅（ちょうけいし）が一緒にいた弟・張慶虎（ちょうけいこ）の目を盗んで殺されると首なしの遺体で発見され…。

李蓮花（りれんか）は張慶獅（ちょうけいし）を殺した真犯人を暴いてみせるが、遺体の首がなかった理由は不明のまま。一方、7体の首なしの遺体の正体は10年前に消息を絶っていた黄泉十四盗だったことが分かる。その後、李蓮花と方多病（ほうたへい）は観音垂涙を手に入れるために墓泥棒たちとともに一品墳へ。そこで一味が次々と命を落としていく中で生き残ると…。

観音垂涙を飲んだ手練れの少年の正体は笛飛声（てきひせい）だった！　だが、それに気づいた李蓮花（りれんか）が観音垂涙に修羅草の種を入れたため笛飛声は内力を回復するもその力を封じられてしまう。そこで彼は仕方なく李蓮花と取り引きして単孤刀（ぜんことう）の遺体を検めた獅魂の行方を一緒に追うことに。その旅に笛飛声の正体を知らない方多病（ほうたへい）も加わって…。

李相夷（りしょうい）の少師剣を彼の元恋人・喬婉娩（きょうえんべん）が取り戻し百川院でお披露目会が催される。だが、いつの間にか剣が偽物にすり替わっていた！　その事件を李蓮花（りれんか）たちが解明していく中、喬婉娩は李蓮花に李相夷の面影を見出し心を揺らす。一方、10年前、騙されて李相夷に毒を盛ったことを後悔する雲彼丘（うんひきゅう）もまた李蓮花の素性に疑念を抱き…。

正体がばれないように振る舞った李蓮花（りれんか）は雲彼丘（うんひきゅう）にも喬婉娩（きょうえんべん）にも過去は忘れるべきだと言う。そして、喬婉娩がくれた手がかりから笛飛声（てきひせい）、方多病（ほうたへい）とともに獅魂（しこん）がいたと思われる薛玉鎮の采蓮荘に向かう。そこではこの10年間、同じ花嫁衣装を着た3人の新妻が溺死していた。これを怪しんだ李蓮花と方多病はその謎を調べ始めて…。

李蓮花（りれんか）たちは采蓮荘で最初に亡くなった花嫁・許（きょ）夫人の部屋を調べて10年前に獅魂（しこん）が描いたと思われる絵を発見。だが、荘主・郭乾（かくけん）は獅魂を知らないと言い張る。そこで彼が嘘をついていると睨んだ李蓮花は花嫁衣装を着て囮になる作戦を決行。部屋に鏡がないことに気づいて庭に出た彼が蓮池のそばにある鏡岩の前に立つと…。

郭乾（かくけん）の正気を失った弟・郭坤（かくこん）が事件の鍵を握ると考えた李蓮花（りれんか）は、笛飛声（てきひせい）とともに彼の部屋を訪ねる。一方、李蓮花と笛飛声が自分に何か隠していると拗ねてしまった方多病（ほうたへい）。単独行動を始めた彼は薬を煎じていた侍女たちの言動からあることに気づく。そして、全ての謎が解けたとき、獅魂（しこん）が隠していた単孤刀（ぜんことう）の亡骸も見つかって…。

百川院に帰る気満々の方多病（ほうたへい）をまいた李蓮花（りれんか）は約束通り笛飛声（てきひせい）の解毒をする。そして、一人で立ち去ろうとするが、笛飛声がそれを許さない。李蓮花と再度勝負しようとこだわる笛飛声は部下の薬魔（やくま）を呼んで彼の治療を指示する。さらに、単孤刀（ぜんことう）を殺したのは金鴛盟の閻王尋命（えんおうじんめい）ではなく別の誰かで、方多病は単孤刀の息子だと告げて…。

李蓮花（りれんか）は方多病（ほうたへい）とともに神医を募集する元宝山荘を訪れ、荘主・金満堂（きんまんどう）が何者かに脅され命を狙われていることを知る。そこで彼は脅迫者を突き止める代わりに金満堂の持つ万病を癒す泊藍人頭を貸してもらうことに。それは笛飛声（てきひせい）にこうきを入れられ命が危ない方多病を救うためだったが、金満堂が殺されて泊藍人頭は消えてしまい…。

泊藍人頭を捜す李蓮花（りれんか）と方多病（ほうたへい）は董羚（とうれい）が密室に侵入したのではなく監禁されていたと推理。事件の真相に近づいていくが、玉城の事件で恨みを買った監察司の指揮使・宗政明珠（そうせいめいしゅ）によって元宝山荘から追い出されてしまう。その後、関河夢（かんかぼう）の正体が蘇文才（そぶんさい）の孫娘・蘇小慵（そしょうよう）だと判明。李蓮花と方多病は彼女の協力で黒衣の男を捕らえると…。

監察司の副使・楊昀春（よういんしゅん）のお陰で元宝山荘に戻れた李蓮花（りれんか）と方多病（ほうたへい）。二人は家宰・金常宝（きんじょうほう）の死の謎を解き泊藍人頭の隠し場所を当てると事件の黒幕を暴く。そして、石水（せきすい）から正式に百川院の刑牌を授けられた方多病は泊藍人頭によってこうきを解くことができたのだった。そんな中、単孤刀（ぜんことう）の死の謎を解明しようと決意した李蓮花は…。

天機山荘に戻った方多病（ほうたへい）は母・何暁恵（かきょうけい）を問い質し自分の実母は亡き叔母・何暁蘭（かきょうらん）で父親は単孤刀（ぜんことう）だったと知る。そして、何暁蘭の遺した書きつけから泊藍人頭の箱にあった氷片の絵を見つける。その後、ついに肖紫衿（しょうしきん）に嫁ぐ決心をした喬婉娩（きょうえんべん）が婚儀を挙げることに。これを祝うため小青峰に集まった人々の中には李蓮花（りれんか）の姿もあった…。

金鴛盟の聖女・かくれいしょうが喬婉娩（きょうえんべん）に李相夷（りしょうい）は生きていると言って毒を飲ませる。それが楊州慢でしか解毒できないと知った李蓮花（りれんか）は密かに喬婉娩を治療するが内力を消耗。そこに笛飛声（てきひせい）が現れて李蓮花と取り引きすると、肖紫衿（しょうしきん）に閻王尋命（えんおうじんめい）の身柄を要求し喬婉娩を連れ去る。その後、生還した喬婉娩は李蓮花こそが李相夷だと確信して…。

李蓮花（りれんか）は笛飛声（てきひせい）が連れてきた閻王尋命（えんおうじんめい）から単孤刀（ぜんことう）の死について新たな情報を得る。その後、肖紫衿（しょうしきん）が門主となり金鴛盟と戦うという名目を掲げ四顧門が再興されるが、万聖道の盟主・封磬（ほうけい）が現れ派閥争いの様相に。これに不満を抱き自分は単孤刀の息子だと打ち明けた方多病（ほうたへい）に、李蓮花は父親の死は金鴛盟の仕業ではないと教えると…。