来年の醸造権の入札について相談したいと、酒楼組合から池蟠に招請状が届く。顧千帆はちょうふんじに付き添い池蟠と同行するが、道中3人の頭上に丸太が落下する事故が起こる。永安楼では、ちょうふんじに代わり宋引章が店主となり立派に務めを果たしていたが、店の繁盛を妬む同業者から嫌がらせを受ける。孫三娘は杜長風（とちょうふう）との関係を息子の傅子方（ふしほう）に知られ、激しく反発される。

顧千帆は、侍衛司に「夜宴図」の贋作を作った犯人として仕立て上げられ、拷問を受ける。それを知ったちょうふんじは、顧千帆を助けるため蕭欽言に助けを求める。要望は認められ、一安心と思った矢先、蕭謂（しょうい）から父は顧千帆を助けないと告げられる。そこでちょうふんじは、顧千帆の潔白を証明するために欧陽旭に会いに行くが、ちょうふんじを一方的に恨む欧陽旭に襲われてしまう。

顧千帆は、雷敬（らいけい）や高慧らの口添えなどにより何とか釈放される。時を同じくして、ちょうふんじは自分と顧千帆の命を救うために開封府（かいほうふ）へ向かい、不当な婚約破棄と誹謗中傷を受けたとして欧陽旭を訴える。しかし、すでに皇后を後ろ盾に得ていた欧陽旭は裏から手を回してちょうふんじの訴えを退ける。ちょうふんじは自身の名誉回復のため、訴えが皇帝に直接届くという登聞鼓（とうぶんこ）院に訴え出るが…。

顧千帆は皇后にちょうふんじの助命を願い、代わりに服従すると誓う。越訴（おっそ）を理由に杖刑を受けたちょうふんじは気絶してしまうが、目を覚ますと再び登聞鼓院へ。皇帝の計らいにより、残りの刑は銭と引き換えに免れる。欧陽旭は依然として婚約破棄を否認。金品のだまし取りも虚言だと主張し、ちょうふんじたちが形勢不利になったとき、欧陽旭の殺人の証拠を持った宋引章が現れる。

ジャン・イエンは鳳栖（フォンシー）行きをどうするか、最終的な意思を院長に伝えにいく…。その頃、ディン・ディンディンはジョウ・ミンミンと共に、彼の母の誕生日を祝うために家を訪れるが、冷たくあしらわれてしまう。一方で、リー・アイチーが彼女を訪ねたことには喜ぶ姿をみせるジョウ・ミンミンの母だったが…。

シオン・フェイの車に知らない男が乗っていることを目撃したルオ・ユエンは、すぐにその場から走って逃げる。ルオ・ユエンが携帯を操作する姿を見たその男は、逃げるルオ・ユエンを無理やり捕まえるが…。その頃、ルオ・ベンとジャン・イエンは特別に外食が許可されたジャン・イエンの父と3人で火鍋を食べに行くことに…。

無事に一命を取り留め、意識を取り戻したルオ・ベン。ジャン・イエンは彼が行わなくてはならない足の切断手術について、正直に話すことを躊躇う…。その頃、ディン・ディンディンの両親の元にジョウ・ミンミンの母親が現れる。彼女は息子と別れるようにディン・ディンディンを説得してほしいと彼らに伝えるが…。

“恋人の木“を訪れたジャン・イエンは、ルオ・ベンからの手紙を見つける。彼らが出会ってからの様々な瞬間を思い出し、そしてルオ・ベンの本心を知ることになるジャン・イエン…。 その頃、別れることになったディン・ディンディンとジョウ・ミンミンはまだお互いへの思いを断ち切れずにいた…。

ローローに養子縁組の希望があると知らされたルオ・ベンは、すぐに児童養護施設へ向かう。里親の元に行くことを怖がるローローに対して、ルオ・ベンは自分の体験した話を伝えるが…。児童養護施設を立ち去る前に、院長の手伝いとして資料室を片付けていたルオ・ベンは、自身に関する資料を見つける…。

アリエルは荷役の作業員であるチウ・ジーガンに対して、退職合意書にサインをするように詰め寄る。サインをすれば十分な補償金が支払われると伝え、説得しようとするアリエルだったが、チウ・ジーガンはサインなど絶対しないと強く反発をし、遂にある行動に出てしまう…。

ジョウ・ミンミンは友人のリー・ジエンから山で遭難と連絡を受け、すぐに救援隊と共に現場に向かう。しかし、到着した場所には誰もおらず、温かい食べ物が残っていることから、その場を離れて間もないことに気づく。ジョウ・ミンミンは茶化されたことに怒り、撤退を提案するが、捜索は続行する。その頃、彼を騙したリー・ジエンらは山道をひたすら歩くが…。

ジョウ・ミンミンの母は、リー・アイチーからディン・ディンディンに関する、あるニュース動画を見せられる…。その頃、ジャン・イエンから長期の辺境支援に行くことを伝えられたルオ・ユエンは、ルオ・ベンと何かあったのではと心配をする。また、過去の出来事に囚われていたチンシャン隊長は、仲間に全てを打ち明けることを決心するが…。

ダーポンは医師から、娘グオグオの病気の進行が早く、腎臓の移植手術が必要だと伝えられる。娘の手術費用を用意するため、ダーポンは店を売ることを考える…。その頃、ルオ・ベンはチンシャン隊長に、極陸（ジールー）グループから商品のプロモーション協力の依頼が来ていることを伝えるが、隊長は商業的な提携は出来ないと断る。

ルオ・ベンはクレバスの底に横たわるジャン・イエンの姿を確認する。吹雪がどんどん強くなる中、救助に行くのは危険すぎると止められるルオ・ベン…。ジャン・イエンを発見したとルオ・ベンから知らせを受けたシオン・フェイも、隊員を連れて現場に急ぐ。

燕（えん）王に与する逆徒は、地方のみならず中央の官署にも存在していた。ある企みをもって多くの逆徒を取り調べる司向南（し・きょうだん）に対抗するため、陸錚（りく・そう）は大学士・袁忠道（えん・ちゅうとう）の助言を仰ぐことに。そんななか、逆徒として王克恭（おう・こくきょう）の名誉回復を求め、趙（ちょう）家村の人々が訴えを起こす。事態を知った陸羽林（りく・うりん）が李霧（り・む）に命じたこととは…。

袁忠道（えん・ちゅうとう）の奏上が認められ、逆徒の捜査と捕縛は李東方（り・とうほう）――李霧（り・む）が指揮を執り、陸錚（りく・そう）が補佐をすることに。しかし当の李霧は、陸錚をかばって受けた傷がもとで寝込んでいた。しかも医者の見立てでは、心の病のほうが問題なのだという。同じ頃、袁忠道は張俊清（ちょう・しゅんせい）を前に、洪武（こうぶ）年間に起きたいくつかの事件の“真相”を語り始めていた…。

文華殿に忍び込んだ舒棠（しょ・とう）を発見した太監・趙苟（ちょう・こう）。だが実際には、趙苟を手駒として利用したかった舒棠が、彼を待ち伏せていたのだった。一方、陸錚（りく・そう）は何者かに襲われた張俊清（ちょう・しゅんせい）を訪ねる。「相手は夜不収やも」。お互いの腹を探り合うようなやり取りの最中、彼は曲者が潜んでいる気配を察知した。張俊清の手を取り屋外へと走り出す陸錚だったが、幾人もの男たちに囲まれ…。

泥酔し、眠り込んでしまった李霧（り・む）の世話を終えた舒棠（しょ・とう）は、李東方（り・とうほう）のもとへ。そこで彼女は、生き別れになった姉なのではないかとにらんでいる張俊清（ちょう・しゅんせい）について尋ねるのだった。彼女が去った後、李東方の前に姿を現したのは王克恭（おう・こくきょう）の息子・崇喜（すうき）だった。李東方は彼に、自分の名を騙っている李霧こそが、父の仇だと告げ…。

いかなる理由があっても逆徒は殺すべきか――陸錚（りく・そう）は酔った勢いで養父・陸羽林（りく・うりん）に問うた。名は口にしないものの、それが誰を指しているのか、陸羽林にとっては明白である。「そのような奴は生かしておいても、いつか殺さねばならん時が来る」。それが父の答えだった。あくる日、都の郊外で語り合う李霧（り・む）と舒棠（しょ・とう）の前に、陸錚が。「見逃してくれ」という李霧の声を無視し、彼は刀を抜いて…。

陸羽林（りく・うりん）の思いがけぬ告白に息をのむ李霧（り・む）。しかも、とうに自分の正体がつかまれていたらしいことも、彼を狼狽させた。すべてを秘して、李東方（り・とうほう）になりきれ――陸羽林は、驚くべき話をそう締めくくる。そして李霧は応天府へ戻り、再び錦衣衛となることを決意するのだった。一方、夜不収の暗号指令を読み解いた陸錚（りく・そう）は、すでにこの世にはいないはずの、ある人物をおびき寄せることに…。

都で集められた財物はすでに別の船で北平（ほくへい）へと運ばれ、燕（えん）王の軍費になったという。怒りをあらわにして李東方（り・とうほう）――李霧（り・む）の不手際を責める袁忠道（えん・ちゅうとう）だったが、朝廷や民衆の混乱を招かぬよう、事実とは正反対の報告をすることを決めるのだった。そんななか舒棠（しょ・とう）は司礼監・趙苟（ちょう・こう）に手伝わせ、宮女として皇宮に入り込もうと試みていた…。

何者かが出した捕縛令により、追われる身となった李東方（り・とうほう）――李霧（り・む）と陸錚（りく・そう）。２人は兵たちの手を逃れ、山中に身を隠すことに。詔獄に収監させられた陸羽林（りく・うりん）が拷問にかけられることを心配する李霧は、同行すると言ってきかない陸錚を出し抜き、単身救出に向かうのだった。同じ頃、流民に化けた夜不収が都に入り込もうとしているとの情報をつかんだ兵部は、警戒を強めていた…。

囚人となった李霧（り・む）の前に、李東方（り・とうほう）が現れた。彼は“琶刑（はけい）”と呼ばれる拷問を李霧に科すと、「ずっと李東方でいろ」と命じるのだった。一方、陸錚（りく・そう）は、李霧のよき協力者であった兵馬（ひょうま）司・統領の崔陳（さい・ちん）から、先日の事件について思いもよらぬ証言を得る。その矢先、崔陳は、夜不収の刺剣を持ち、鬼の面をつけた曲者に襲われて命を落とし…。

花の香りが真実を教えてくれた。同僚であり親友の謝鏗然（しゃ・こうぜん）を殺めたのは、張俊清（ちょう・しゅんせい）だったのだ。驚きと怒りに揺れる陸錚（りく・そう）とは対照的に冷徹な表情を崩さない張俊清は、恐るべき事実を突きつけ、「あなただけ蚊帳の外なの」と言い放つのだった。一夜明け、陸羽林（りく・うりん）の審問が。逆徒であると認めた彼は、洪武25年に宋鶴鳴（そう・かくめい）が殺された事件についても話し始め…。

この言葉を覚えておけ――。陸羽林（りく・うりん）が、まだ幼い陸錚（りく・そう）に告げた言葉こそ、魚瞑鎖（ぎょめいさ）の秘密を解く鍵だった。それにより、魚瞑鎖から取り出されたものは、暗号と思しき文言が書かれた紙片。その謎めいた言葉と数字の羅列を読み上げた袁忠道（えん・ちゅうとう）は、頭を悩ませるばかりだった。一方、暗号の内容を盗み聞きした李霧（り・む）は、火器を横取りしようと動き出し…。

張俊清（ちょう・しゅんせい）は妹の舒棠（しょ・とう）が、陛下暗殺の指令を受けて宮中に潜り込んでいることを袁忠道（えん・ちゅうとう）の言葉によって知る。同じ頃、李霧（り・む）は燕（えん）王に取引を持ちかけるための使いを立て、陸錚（りく・そう）は燕王を仕留めるべく、身分を隠してその陣営に入り込もうと企てていた。それぞれの思惑が入り乱れるなか、燕王軍は明（みん）の都・応天府に迫り…。【完結】

長秋宮で宮中の礼儀を学ぶことになった程少商。毎日凌不疑の送迎で参内するが、待ち受けていたのは案の定、難しい知識や聖賢の教えだった。しかし皇后は上から押さえつけはせず、少商の長所を認め、愛情を注ぐ。そんな皇后の姿に少商は心から敬意を表す。夜、凌不疑は少商を皇宮の城壁に連れていき、都中に灯る明かりを見せて思いを吐露し、少商に口づけするのだった。そして参内を始めて数日後、皇后の従妹である文修君が長秋宮を訪れる。文修君は激しい剣幕で皇后に迫ると…。

小越侯と三公主は文修君の弟・小乾安王が寿春で鋳造してる贋金を自分たちの懐にも入れようと画策していた。そんな中、亡き霍将軍の命日に長秋宮で宴が行われることに。少商は宮中で三公主に遭遇、三公主の侍女たちから無理やり跪かされ頬をぶたれる。そこへ太子妃が現れ少商を救い東宮で治療してやるが、凌不疑は東宮にはあまり関わらないほうがいいと少商に忠告するのだった。その後、昼餉の席についた皇帝一族の前に汝陽王妃が現れ、凌不疑と縁談が決まった少商を大いに責めるが…。

程少商は霍将軍の法事の席で三公主の衣に細工、衣に火を燃え移らせる。赤い衣を下に着ていたことに加え三皇子が贋金の件を訴えたこともあり、皇帝は三公主を杖刑に処すよう命じる。越妃は兄の小越侯に野心を持たぬよう警告するのだった。そんな中、文修君が独断で息子に匪賊を討伐するよう命じていたことが発覚、凌不疑は太子に無能な王淳父子を罷免するよう勧めるが、身びいきする太子は冷徹になれず皇帝に叱責される。太子を案じる皇后の姿を見た少商は皇后のために力になりたいと考え…。

廃太子の噂が流れる中、業を煮やした五公主は皇后に訴え、皇后は怒りのあまり寝込んでしまう。皇后の寿誕の宴の差配を任された程少商は、皇后を元気づけるため胡瓜料理を差し入れる。少商の機転で皇后は粥を食べるが、駱済通や侍女の心中は穏やかではなかった。一方の太子は少商の助言を受け皇帝に素直な心情を吐露、皇帝も翌日の朝議で太子に虎符の管理を任せ、廃太子の意思がないことを暗に示すのだった。凌不疑は東宮に近づくことで太子や皇后の立場を更に悪くすると少商に忠告するが…。