『快刀ホン・ギルドン』完全攻略ガイド〜WANTED！ ホン・ギルドン
ホン・ギルドンは朝は娼館で目を覚まし、昼間は市場をひやかして歩く、お気楽な青年。しかし父を父とは呼べない、辛い身の上でもあります。ギルドンの父は王から信頼の厚いホン判書。しかし母親はホン家の使用人だったため、正式に息子と認められませんでした。それは彼が幼い時から優秀だったので、平凡すぎる長男イニョンの母親の憎しみを買ったからでもありました。ギルドンは道士ホ・ミョンスのもとで掃除・洗濯、武道の修業を積み、正義感の強い青年に成長。目下の夢は清国に行くことです。
清国からの船が着いたと聞き、ギルドンは港にやってきます。下船した人たちの中に、清国で薬を仕入れたイノクや、部下を連れた美しい青年チャンフィがいました。街に出たイノクは高価な簪を拾います。それを髪に飾った直後から、彼女は見知らぬ男たちに追われるようになってしまいました。イノクに中国語を教えてくれと頼んだギルドンは、必死で逃げるイノクを目撃。とっさに彼女の手を引いて、自分の育った寺に逃げ込みます。
ギルドンとイノクが寺に逃げ込んだ頃、チャンフィは母の形見の簪を必死に探していました。彼の母は先王の王妃で、陰謀によって死去。幼いチャンフィはノ尚宮のおかげで助かり彼女のもとで成長しました。ノ尚宮の悲願は王位奪還。今の王に不満を抱く者たちを集めなくてなりません。盗賊の親方と交渉し拒否されると、ノ尚宮は官軍を引き入れました。親方は大怪我を負い寺に逃げ込みます。ギルドンは瀕死の親方の最後の言葉を聞きます。
官軍が盗賊たちを捕らえにくる。ギルドンは親方の遺言であるこの言葉を聞いて、義侠心に燃えます。清国行きはひとまず中止。盗賊たちが根城にする山へと急ぎました。何も知らない盗賊たちは、突然、現れたギルドンに敵意をむき出しにします。勝負を挑み、全くギルドンを信用してくれません。そうしているうちにも、官軍は大挙して山に向かっていました。しかし官軍が山に着くと、もぬけのカラ。ギルドンの奇策で盗賊は危機を免れます。
イノクはギルドンが清国に行ったとばかり思っていましたが、ある日、寺で再会します。父への感情に葛藤するギルドンには、明るく屈託ないイノクが心休まる存在になっていました。２人で森を歩いている時、蜂の大群と遭遇。相次いで水に飛び込みましたが、イノクが上がってきません。ギルドンは水中でぐったりするイノクを見つけ、人工呼吸を施します。丘に上がったイノクは、遠い意識の中でキスされたのを思い出し恥ずかしがります。
韓国でホン・ギルトン（洪吉童）と言えば、庶民を助ける義賊として知られる国民的ヒーロー。17世紀初期に文人で学者のホ・ギュンによって書かれた小説『洪吉童伝』をもとに、これまでに何度も映画やドラマ、アニメ化されてきました。どの作品でもギルドン像は両班の息子らしい高貴な雰囲気、文武両道の模範生として描写しています。『快刀ホン・ギルドン』では、娼館に出入りし市場を仕切るワル。父との葛藤もある21世紀らしい青年です。
ギルドンのスタイルをがらっと変えた張本人たちは、『快傑！春香』『マイガール』のシナリオを執筆したホン・ジョンウン、ホン・ミラン姉妹。ホン姉妹の作品の特徴はテンポのよさ、今どきのキャラクター、そして欠かせないのがイケメン！ ジェヒ、イ・ジュンギを開花させてきた姉妹は、今回は悲しみを秘めた妖しいまでに美しいチャンフィにチャン・グンソクを起用。ホン姉妹とグンソクは『美男（イケメン）ですね』でも組んでいます。
『一枝梅〜イルジメ』『最強チル』など歴史考証よりイケメン・ヒーローが活躍する時代劇＝フュージョン時代劇が大流行。『快刀ホン・ギルドン』も、ギルドンは黄色の眼鏡にブーツと今風スタイル。両班がゴルフをしたり、盗賊の砦はキャンプのよう。それなのに従来の時代劇のように、王の血統の者が王位を奪還するというストーリーに賛否両論。イ・ジョンソプPDは「矛盾は置いといて、ホン・ギルドンの新世界を楽しんで」と言っています。
『千年の愛』で健気なお姫様、『雪の女王』でクールなお嬢さまが似合っていたソン・ユリ。そんな彼女が『快刀ホン・ギルドン』では、お尻を蹴られたり、水に飛び込んだりと捨て身でイノク役に挑んでいます。アイドル・グループFin.K.L（ピンクル）の末っ子としてデビューして10年。パワー（根性？）のある女優に成長しました。ちなみに08年のKBS演技大賞では、この作品でカン・ジファンとベスト・カップル賞に選ばれています。
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