ひぐらしのなく頃に
2006 TV(アニメ) 全26話 【ホラー/ゲーム原作】
祭の終わりは、惨劇の始まり。
美少女アニメのように擬態している作品だが、正体は実に恐ろしい。転校生が美少女たちに囲まれる楽しげな状況をメインに描く第1話にも、絶対にだまされてはいけない。本当の狙いは、観客に“極限状態の恐怖”を味あわせることにあるのだから……。ポイントは、色彩と音がかきたてる不安感。夕暮れの赤、蝉時雨の染みわたる残響が重なりあうことで、起きる惨劇の予兆をザワザワと感じさせる。少女たちと何気ない会話をしているだけなのに、ふと忍び込む妙なリアクションのズレや、目立たないように置かれた道具だてなど、いたるところ恐怖の前兆が見え隠れする。想像力を全開にして、この不安感・恐怖感を満喫してほしい【アニメ評論家 氷川竜介】