タイドライン・ブルー
2005 TV(アニメ) 全13話 【アクション/SF/ファンタジー】
誤解、瓦解、和解。
想いは繋がる…いつか、きっと。
飯田馬之介監督の持ち味は、とことん絶望的な状況にもかかわらず、主人公が懸命にがんばるところが良い。世界を見つめる視線はリアルで冷徹な分だけ、登場人物は熱く血の通った存在に見えてくる。潜水艦マンガの雄、小澤さとるを共同原作者に迎えたこの作品は、地上が水没して人類の大半が死に絶えた世界に、新たな生命が誕生するところからスタート。リアルな出産シーンに生き別れの双子の再会という主人公ドラマが重なり、思わず引き込まれてしまう。巡航ミサイルなど現用兵器の延長にある兵器描写は潜水艦の活躍にも発揮され、シビアな政治的駈け引きも交えた物語展開は先がどうなるか予断を許さない。友永和秀ら、テレコムの実力派メンバーの作画も大きな見どころだ!【アニメ評論家・氷川竜介】