昭和20年。少年の頃から呉の素人賭博に出入りしていた荒谷政之は、15歳で石岡組の子分となり博徒としての行儀作法を学んでいた。その頃、呉でトップを狙う新興運送業の山辰組が石岡の命を狙うが失敗。これを機に荒谷も山辰の命を狙う攻防戦が勃発。一度は大親分の仲裁で手打ちとなったものの、荒谷が受刑中についに石岡が刺殺されてしまう。石岡亡き後、山辰は呉港を取り仕切る親分として勢力を拡大。数年後に出所した荒谷は山辰への復讐を誓うが…。
ドキュメンタリー小説『最後の博徒・波谷守之の半生』を、任侠映画の巨匠・山下耕作監督が映画化。『仁義なき戦い』シリーズでも知られる広島・呉やくざ抗争の立役者にして“最後の博徒”と呼ばれた波谷守之をモデルに、戦後の任侠界を疾風のごとく駆け抜けた男の生き様を熱く描き出す。主演を務めた松方弘樹はじめ、千葉真一や梅宮辰夫、そして本作が遺作となった鶴田浩二など蒼々たるメンバーが集結。東映任侠映画の集大成ともいえる作品だ。
1985年/日本/125分
監督:山下耕作 脚本:村尾昭 原作:正延哲士
キャスト:松方弘樹、鶴田浩二、丹波哲郎、梅宮辰夫、千葉真一