ショッピングモールで少女が、疲れ顔の少年を連れまわす。どこにでも日常的に見られる光景だった。ありふれた若いカップル…まさかこの2人が暗殺者だと思う者はいないだろう。そう、インフェルノのファントムだとは…。ウォレス大尉を始末した事により、正式にインフェルノの一員となったツヴァイはアインと共に任務を受けていた。今回のターゲットはダラス・マフィアのボス、ドン=ルシオ。暗殺の現場はショッピングモール、厳重に警備された屋敷から孫娘のプレゼントを買いに出た所を襲撃する手筈だった。ターゲットの到着は翌日の午後3時。ツヴァイとアインはカップルに偽装し絶好の襲撃ポイントを探っていたのだった。アインとツヴァイ…彼らにも本来ならありふれたはずの日常。だが、それさえも、もう遠すぎて、偽装のなかだけにしか存在しない…。