妻に先立たれ、岩手でひとり暮らしを送る昭男は、東京に住む末っ子・哲夫のことが心配でならない。兄は立派に働き、家族を養っていたが、哲夫だけが定職もなく気ままな生活を送っているからだ。そんな折、母の一周忌に出席するため、久々に哲夫が実家に帰ってくるが、昭男に生き方をたしなめられたことで、父と子の仲はますます溝が深まっていく。
『母べえ』『おとうと』など独自のヒューマニズムに満ちた作風で、傑作を世に送り続ける山田洋次。稀代の名匠が、『釣りバカ』シリーズの盟友・三國連太郎を主演に迎えて贈る傑作ホーム・ドラマ。岩手の田舎で暮らす老いた父と、都会で不安定な生活を送る末っ子が、反目しあいながらも家族という絆を取り戻す過程を、温かい眼差しで描く。
1991年/日本/121分
監督・脚本:山田洋次 原作:椎名誠
キャスト:三國連太郎、永瀬正敏、和久井映見、田中隆三、原田美枝子、浅田美代子