茨城県筑波。一見、のどかで平和な町は、原子力発電所の臨界事故が原因で立ち入り禁止区域が残っており、不穏な空気感で覆われている。ここで暮らす孤独な青年・祐一郎は、開業医だった亡き父の跡を継ぐべく、医学部を何年も受験しているがまったく身が入らない。彼はギャンブルやドラッグの世界にハマリこみ、絶望と焦燥に苛まれていく中、ある臨床試験アルバイトをする。
宝塚歌劇団、NODA-MAPなどの舞台映像や、自身の作・演出による舞台劇を手掛ける鬼才・奥秀太郎が、渡辺一志、桃井かおり、大森南朋、野田秀樹ら多彩なキャストを迎えて放つ極限のラブ・ストーリー。放射能に関する人体実験の被験者に名乗り出た若者が、絶望と焦燥感に駆られる中でひとつの愛に辿り着く。行き場のない日本の闇の中で、破滅と再生に向かう人々のもがきを描く。
2009年/日本/95分
監督・脚本:奥秀太郎
キャスト:渡辺一志、桃井かおり、大森南朋、大杉漣、野田秀樹