とある紀州の路地。この地で産婆として生き、年老いたオリュウノオバは、ある美しい男たちのことを思い出していた。己の美しさを呪うように、女たちの欲望に沈んだ半蔵。火を噴くように生きたいと切望し、刹那の炎に己の命を焼きつくした三好。路地から旅立ち、北の地で立ちあがろうとした達男。彼らは女たちに圧倒的な愉楽を与えながら、死んでいったのだった。
『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』『キャタピラー』など、現代社会を挑発する問題作を撮り続けた鬼才・若松孝二。2012年に亡くなった彼の遺作にして、稀代の作家・中上健次の代表作を映画化した異色ドラマ。紀州の部落を舞台に、女たちに愉楽を与えながら死んでいく美しき男たちの生き様を、寺島しのぶ、高良健吾、高岡蒼甫、染谷将太ら豪華キャスト競演で描く。
2013年/日本/118分
監督:若松孝二 原作:中上健次
キャスト:寺島しのぶ、佐野史郎、高良健吾、高岡蒼甫、染谷将太