殺し屋稼家に疲れ果てた初老の男は、不動産屋に飛び込み、女係員に部屋探しを頼む。数々の殺してきた亡霊たちに追われるようにして、男は死に場所を求め、係員とともに部屋から部屋へと巡り歩いていく。部屋探しの二日目、男は係員に案内され、遂に理想の、窓から見える眺めだけが唯一の取り柄の部屋に行き着く。そこが男の死に場所だった。彼は拳銃の引き金を引き、椅子に座ったまま息絶えるのだった。
初老の殺し屋が死に場所を求めて部屋を探す物語が、ささやくようなセリフと長回しの退廃的なモノクロ映像で描かれる。「国辱映画」などと表される一方、大絶賛の声もあり、カンヌで上映禁止、ベルリンで乱闘など数々の映画祭で物議をかもした作品。
1993年/日本/91分
監督:園子温
キャスト:麿赤児、洞口依子、佐野史郎