生きているのは私たち<人間>か、彼女<ZOMBIE>か? 幸福な寺本家に、ある日、送られて来た大きな荷物。使用人の男手二人でこじ開けた中には、「肉を与えるな」という取扱説明書と拳銃、そして檻。中には、怯えた様子の若い女がうずくまっていた。名は沙羅(さら/小松彩夏)。生気のない眼、おびただしい全身の傷跡、帝王切開の痕。記憶と感情を失い、人間を襲うことのない種類のゾンビだった。その日から、沙羅は寺本家の下僕として働くことになる。平穏だった日常に突然現れたゾンビを、人々は嫌悪し、気の向くまま迫害する。繰り返される悪意に満ちた悪戯―子供たちは石を投げつけ、若者はナイフを突き立て、使用人たちは身体を弄んだ。ただふたり、寺本の妻・志津子(冨樫真)と幼いひとり息子の健一を除いて。特に健一は、買ってもらったばかりのポラロイドカメラで沙羅を撮ることに夢中になっていた。 そんなある日、健一が過って溺死してしまう…。
2013年/日本/85分 PG12
監督・脚本・原案:SABU
キャスト:小松彩夏、冨樫真、手塚とおる、大西利空、駿河太郎、芹澤興人、山内圭哉