円谷英二の死後久々に登場した「ゴジラ」シリーズ第11作。全編がグロテスクなムードに覆われ、当時日本を騒がせていた公害問題を巧みに取り入れた、シリーズの中でも異彩を放つ作品。汚染された港から生まれた公害怪獣へドラは、海へ流れ出たヘドロや工業地帯のスモッグを吸収しながら成長し、巨大化していく。その時、何処からともなくゴジラが出現し、地球を汚染し続けるへドラに敢然と立ち向かっていく。怪獣映画では珍しい作家性に満ちた作品に仕上がっている。
人類の強い味方・ゴジラが公害怪獣ヘドラと大死闘をくり広げる。全身火傷だらけのゴジラが思い余って放射熱線を吐き空を飛び、ヘドラに体当たりするシーンはかつてない大興奮。
1971年/日本/85分
監督:坂野義光
キャスト:山内明,柴本俊夫,川瀬裕之,吉田義夫