不慮の交通事故で、天才数学者の博士は記憶がたった80分しかもたない。何を喋っていいか混乱した時、言葉の代わりに数字を持ち出す。それが、他人と話すために博士が編み出した方法だった。相手を慈しみ、無償で尽くし、敬いの心を忘れず、常に数字のそばから離れようとはしなかった。その博士のもとで働くことになった家政婦の杏子と、幼い頃から母親と二人で生きてきた10歳の息子。博士は息子を、ルート(√)と呼んだ。博士が教えてくれた数式の美しさ、キラキラと輝く世界。母子は、純粋に数学を愛する博士に魅せられ、次第に、数式の中に秘められた、美しい言葉の意味を知る―。
原作は、芥川賞作家・小川洋子の大ベストセラー「博士の愛した数式」。本屋さんが選ぶ第一回本屋大賞、第55回読売文学賞を見事受賞した感動作が待望の映画化! 寺尾聰、深津絵里、吉岡秀隆、浅丘ルリ子ほか日本を代表する俳優が豪華競演。
2005年/日本/117分
監督・脚本:小泉堯史 原作:小川洋子「博士の愛した数式」(新潮社刊)
キャスト:寺尾聰、深津絵里、齋藤隆成、吉岡秀隆、浅丘ルリ子