1970年代のアルゼンチンで、世間から身を隠すようにして海辺のボロ屋でひっそりと生きる1組の母子。けれども7歳の少女セシリアには、なぜ自分たちがそうした生活を送らなければならないのか、その理由がよく分からない。ある日彼女は、軍人が教室に参列した学校の作文の授業で、軍に入隊した親戚が死んだことを素直に書き綴った文章を先生に提出する。その晩、それを知った母親は、思わず血相を変えて家を飛び出し…。
第61回ベルリン国際映画祭、銀熊賞受賞作品。社会に背を向け、母親と2人きりで孤独な生活を送る7歳の少女の姿を通して、軍事政権下のアルゼンチンの人々の不安と恐怖を浮き彫りにし、世界各地で数多くの映画賞に輝いた秀作。
2011年/メキシコ・フランス・ドイツ・ポーランド/109分/日本語字幕版
監督:パウラ・マルコヴィッチ
キャスト:ラウラ・アゴレカ、パウラ・ガリネッリ・エルツォク