新米刑事・村上は満員のバスの中でスリに遭い、拳銃を盗まれる。そして盗まれた拳銃で傷害事件が起きてしまう。村上はスリ係の老刑事やベテラン刑事・佐藤に助けられながら捜査していく。地道な努力の末、スリの常習犯の供述から犯人にたどり着くが、運悪く相棒が撃たれてしまう。村上は一人、犯人を追うが……。
日本映画に刑事物のジャンルを確立した記念すべき作品であり、サスペンス映画の傑作。刑事と犯人の息詰まる攻防を、当時の闇市、スラム街、ホールといった戦後社会の風景をバックに描く。荒々しいシーンで敢えて優しい曲を流して逆説的にドラマを盛り上げる“対位法”と呼ばれる演出の手法も、本作で確立した。
1949年/日本/122分
監督:黒澤明
キャスト:三船敏郎、志村喬、清水元、河村黎吉、淡路恵子、三好栄子、木村功