トレンチコートを纏った下半身のみ吸血鬼――ザップがその目を射抜いた真胎蛋(ツェンタイダン)――の上半身が、旅客機の先端に貼りついて、真っ直ぐヘルサレムズ・ロットに突入しようとしていた。失われた自分の半身を取り戻し、永遠の虚の中心部へと帰還しようというのだ。引きちぎられた上半身と下半身が、再びひとつの身体に戻れば、引き起こされる惨事はこれまでの比ではない。ブローディ&ハマーも動員し、一斉に動き始めるライブラメンバーたち。レオは神々の義眼を駆使して諱名(いみな)を読み取ろうとしていた。そしてザップの師匠・裸獣汁外衛賤厳も見守るなか、ついに旅客機が結界を破って侵入する。墜落した飛行機の先端部から姿を現したのは、半人半魚の姿をした異界人。彼はザップと同じく賤厳の弟子であり、斗流血法・シナトベの正統後継者、ツェッド・オブライエンだった。