19世紀のベルギー、フランダース地方。アントワープにある大聖堂を、一人の修道女が訪れる。彼女は、聖堂に飾られている大画家ルーベンスの「聖母被昇天」を仰ぎ見るうち、その記憶は20年前へとさかのぼる・・・。おじいさんと牛乳運びで生計を立てる少年ネロと愛犬パトラッシュは、貧しいながらも幸せに暮らしていた。ネロの夢はルーベンスのような画家になること。そんなネロのささやかだが幸せな日々は長くは続かなかった。おじいさんの死、風車小屋の放火の容疑、絵画コンクールの落選・・・。次々とネロの身に不幸が降りかかる。そして、クリスマスの夜。全てを失ったネロが大聖堂で見たものは、ずっと憧れていながらも決して見ることの出来なかったルーベンスの2枚の絵だった・・・。