【第八話】
病に冒された殺人犯の手術を手伝うため、急遽出張した啓造(三浦友和)だったが、救急車の事故に巻き込まれ海へ転落してしまった。事故の連絡を受けた夏枝(浅野ゆう子)、徹(鳥羽潤)、陽子(末永遥)は、啓造が運び込まれた病院へ駆けつけるが、かなり危険な状態だという。そんな夫の様子を知った夏枝はあまりのショックと過労で倒れてしまい…。
1964年、作家・三浦綾子のデビュー作として発表された「氷点」。北海道の病院を舞台に、病院長夫人・夏枝とその家族を中心に複雑に絡み合っていく人間模様を描いた愛憎劇は、センセーショナルな内容とスピーディーなストーリー展開で大ヒットを記録。その2年後の1966年にはテレビ朝日(当時NET)でテレビドラマ化。平均視聴率30%以上というヒット作品となった。今回「氷点」を現代に甦らせた「氷点2001」では、作品を単に三浦綾子の文芸作品として取り上げるのではなく、現代に生きる誰にでも起こりうる、普遍的なストーリーとして描いていく。脚本には「やまとなでしこ」を始め、「恋愛中毒」、「Age35」など、現代の愛憎劇を描くことにかけては当代一ともいえる中園ミホ氏を起用。中園氏ならではの切り口とタッチで新たな息吹を吹き込まれた。
北海道旭川市。青年医師・村井(吉田栄作)と密会しているあいだに娘を殺されてしまった辻口病院の院長夫人・夏江(浅野ゆう子)。そんな妻の不貞を疑う院長・辻口(三浦友和)は、夏江の復讐心を込めて娘を殺した男の娘を養女として引き取り、夏江に育てさせる。15年後、その娘・陽子(末永遥)は美しく成長し、あるきっかけで真実を知ってしまった夏江は、陽子を憎みはじめる…。
キャスト:浅野ゆう子、吉田栄作、末永遥、鳥羽潤、戸田恵子、三浦友和
脚本:中園ミホ、相内美生、小野沢美暁
プロデューサー:黒田徹也(テレビ朝日)、杉山登(テレビ朝日)、志村彰、次屋尚
演出:阿部雄一、今井和久、植田尚
原作:三浦綾子「氷点」(角川書店)
音楽:羽毛田丈史
制作:テレビ朝日、MMJ