【最終話】
「陽子ちゃん、あなたの父親が、私のルリ子を殺したのよ」。夏枝(浅野ゆう子)の告白にショックを受けた陽子(末永遥)は、遺書を残し北海道の美瑛川に身を投げてしまう。駆けつけた夏枝によって助け出された陽子だが、多量の睡眠薬を服用、危険な状態が続く。駆けつけた啓造(三浦友和)は変わり果てた陽子の姿に自らを責め、徹(鳥羽潤)は「母さんのせいだ」と厳しい目を向けるとどこかへと出ていってしまう。
1964年、作家・三浦綾子のデビュー作として発表された「氷点」。北海道の病院を舞台に、病院長夫人・夏枝とその家族を中心に複雑に絡み合っていく人間模様を描いた愛憎劇は、センセーショナルな内容とスピーディーなストーリー展開で大ヒットを記録。その2年後の1966年にはテレビ朝日(当時NET)でテレビドラマ化。平均視聴率30%以上というヒット作品となった。今回「氷点」を現代に甦らせた「氷点2001」では、作品を単に三浦綾子の文芸作品として取り上げるのではなく、現代に生きる誰にでも起こりうる、普遍的なストーリーとして描いていく。脚本には「やまとなでしこ」を始め、「恋愛中毒」、「Age35」など、現代の愛憎劇を描くことにかけては当代一ともいえる中園ミホ氏を起用。中園氏ならではの切り口とタッチで新たな息吹を吹き込まれた。
北海道旭川市。青年医師・村井(吉田栄作)と密会しているあいだに娘を殺されてしまった辻口病院の院長夫人・夏江(浅野ゆう子)。そんな妻の不貞を疑う院長・辻口(三浦友和)は、夏江の復讐心を込めて娘を殺した男の娘を養女として引き取り、夏江に育てさせる。15年後、その娘・陽子(末永遥)は美しく成長し、あるきっかけで真実を知ってしまった夏江は、陽子を憎みはじめる…。
キャスト:浅野ゆう子、吉田栄作、末永遥、鳥羽潤、戸田恵子、三浦友和
脚本:中園ミホ、相内美生、小野沢美暁
プロデューサー:黒田徹也(テレビ朝日)、杉山登(テレビ朝日)、志村彰、次屋尚
演出:阿部雄一、今井和久、植田尚
原作:三浦綾子「氷点」(角川書店)
音楽:羽毛田丈史
制作:テレビ朝日、MMJ