【第九話 憧憬】
初主演の舞台を一か月後に控える若手女優の悠木奈央(高橋朱里)は、ある日の深夜、舞台を上演する予定の劇場を訪れる。「自分が立つことになる舞台を見せてあげたい」と考えた奈央の所属する芸能事務所の社長・林亜紀子(渡辺真起子)が、知り合いの警備員・富樫亘(芦川誠)に頼んだのだった。
舞台の大きさに足がすくむ奈央だったが、亜紀子に自信を持つよう諭され、演目の一部を演じてみせる。不慮の事故によって、女優になることを諦めた亜紀子にとっても、娘のような存在の奈央がトップ女優へと羽ばたくこの舞台は念願だったのだ。満席のホールを思い描き、恍惚とする二人。
しかし二人がステージを降りると、不可解な出来事が起こり始める。ホールを出て休憩する奈緒の耳には、複数の女性のささやき声が聞こえ、意識が薄れてしまう。危いところで亜紀子に助けられた奈央だったが、今後は亜紀子の耳に女性の声が。すると亜紀子の目つきが変わり、突如奈緒に襲い掛かってきたのだ! 亜紀子達以外には誰もいないはずなのに、場内に女性の笑い声が響きわたる。恐怖におびえる奈央だったが、警備員の富樫だけは冷静に二人を見つめていた。
AKBグループから選抜された11人のヒロインによる、日常と地続きの世界にある「私の身にも起こるかもしれない」理不尽な恐怖体験を描いた、映画『劇場霊』から生まれたスピンオフホラー!
キャスト:高橋朱里、渡辺真起子、芦川誠、小市慢太郎
監督:木ノ本豪
脚本:加藤淳也、三宅隆太
企画:秋元康