「あのね、おねがいっ!おじさんち泊めてくれない?私に好きなことしていいから…。」まだ出会って数時間しかたたっていないというのに、彼女はとんでもないことを言い出す。きっかけは立ち食いそば屋で僕が彼女に話しかけたことだった。彼女=あゆみさんは、券売機での買い方がわからなかったのか、目当ての商品が見つからずにオロオロしていて、周囲から冷たい視線を受けていたものだから、いたたまれなくなって僕が助け船を出したのだ。どうやら彼女、旦那さんとケンカをして着の身着のままで家を飛び出してきたらしい。たまたまキャバ嬢からのメールを見てしまい浮気が発覚したんだそうだ。家に来てからの彼女はやたら積極的で、女性なんて目すら合わせてもらえないような完全無欠のおじさんである私に、唇を前に突き出しながら何度も何度もキスをせがむ。「旦那とは2ヶ月くらいシてないよ?」なんて、すごくいじらしい一言に思わずガマン汁が出そうになる。最高の休日になりそうな予感がしていた。