1930年代、列強各国の租界地として爛熟期を迎えていた魔都・上海を舞台に、一人の青年捜査官が失われた過去を取り戻し、再生していく姿を描く。1937年、スコットランドヤードの特別捜査官であるクリストファー・ブレナン(朝夏まなと)は、迷宮入りとなったある事件の手掛かりを求め、観光と偽り上海へとやってくる。その事件とは、クリストファーの恋人シンシアと彼女の両親が住むロンドンの家が何者かによって襲撃され、一家は誘拐、殺害されたというものだった。上海は事件に何らかの関連があると思われる街であると同時に、クリストファーの生まれ故郷でもあった。光と影が交錯する上海の外灘<バンド>。クリストファーの胸に、郷愁と追憶の念が込み上げてくる。クリストファーは早速、英中間貿易を取り仕切るトラヴァース商会のパーティーへ向かう。そのトラヴァース商会はシンシアの姉ミシェル(白華れみ)の嫁ぎ先だった…。
2010年/花組/宝塚バウホール/キャスト:朝夏まなと、白華れみ 他