時は延宝八年(1680年)春。四代将軍の徳川家綱は生来病弱で子宝にも恵まれていなかったため、幕府は、早急に五代将軍選定を迫られていた。連日衆議の末、雅楽頭が強く推す、家綱の次弟「綱重」に大方の賛同は得たものの、尾張当主の徳川光友だけは「将軍位継承の権利は徳川宗家だけでなく御三家にもある」と異を唱えた。雅楽頭の独裁政治には反感を持つ者も多く、三代将軍・家光の血を引く館林当主の綱吉もその1人であった。そんな中、堀田備中守正俊に「甲府宰相綱重」出迎えの大命が下った。ところが、江戸に向かう甲州街道の山中で、綱重は何者かに殺されてしまう。この事件の後、先代家光の側室・桂昌院は実子の綱吉を五代将軍にと考えるのだが…。
1991年/日本/114分
監督:舛田利雄
脚本:高田宏治
キャスト:松方弘樹、十朱幸代、三浦友和、西岡徳馬