妻に先立たれ、一人海岸沿いに住む元船長アブナー。彼の夢は壊れた船を補修し、太平洋を渡ること。地面に埋められて悲しまれるより、海に出て食物連鎖の役に立って死にたい。そんな彼の様子を気にして、30キロ離れた街に住んでいる娘が時折、様子を見に来るが、干渉するなと取りつく島もない。そんな年老いたアブナーを、警察も手を焼く近所の悪ガキたちは“クレイジー船長”と呼び、何かと嫌がらせをしてくる。そんな彼のもとに同じく悪ガキたちにいじめられた少年リッキーが逃げ込んできた。彼は私生児で最近、母親を亡くしたばかり。リッキーは孤独に黙々と船を作るアブナーにシンパシーを感じ、手伝いを申し出るのだが…。