わずか12歳で、裁判を起こしたゼイン(ゼイン・アル=ラフィーア)。訴えた相手は、自分の両親だ。裁判長から、「何の罪で?」と聞かれたゼインは、まっすぐ前を見つめて「僕を産んだ罪」と答えた。中東の貧民窟に生まれたゼインは、両親が出生届を出さなかったために、自分の誕生日も知らないし、法的には社会に存在すらしていない。朝から晩まで両親に劣悪な労働を強いられていた。唯一の支えだった大切な妹が11歳で強制結婚させられ、家を飛び出したゼインを待っていたのは、さらに過酷な“現実”だった。果たしてゼインの未来は―?