劇団の人気演出家・海江田優児(堂珍嘉邦)とその恋人で元劇団員の亜紀(高梨臨)はひそかに結婚し暮らし始めていた。優児は新作舞台の準備を始めたばかり。ところが最近、彼の様子がおかしい。日々やつれていく彼を心配する劇団主宰・竜也(松岡充)の声も届かず、ある日、とうとう、劇団を辞めると言い出した。そんな折、優児の前に亜紀の妹・陽菜(石橋杏奈)が現れる。亜紀のことで話があるという陽菜に対して、頑なに冷たい態度をとる優児。一方、陽菜には、家を出た亜紀に代わって家業を継いで欲しいという母・悠乃(高橋ひとみ)の期待がかけられていた。重くのしかかるプレッシャーに苛立つ陽菜は、ふとしたことから孤独な青年・文哉(村井良大)と出会う。人との関係を断ち、二人だけの絆を強めようとする優児と亜紀、自分を探し出そうともがく陽菜と彼女に惹かれていく文哉。ただ一つの、真実の愛を求めさまよう四人の想いが、古都で交錯する―。