9歳のマチルドは情緒不安定な母と、フランス・パリのアパルトマンで暮らす。母と一緒に向かった学校での面談では、友達のいないマチルドを心配する先生をよそに母の会話は何だかチグハグ。奇行や意味不明な会話が続くそんな母でも、マチルドは母のことが大好きだ。親に甘えたい年頃のマチルドは戸惑いの中、不安を抱きながらも、日々明るく強く生きる。ある日家に帰ると、マチルドは母から大きな包みのプレゼントをもらった。中には鳥かごに一羽の小さなフクロウが。その日の夜、マチルドがベッドに入ると、どこからか「おやすみ」の声。自分一人しかいないはずの部屋で、その声の主は、あのフクロウだった。驚いたマチルドは母親に話すも、フクロウと会話できるのはマチルドだけである。彼はマチルドにとって親友であり家族の様であり、心の拠り所になっていった。フクロウはマチルドを気遣い、常に寄り添い、危うい場面ではアドバイスを送るのだ。ボヤ騒ぎや引越し騒動など、目まぐるしく事件が起き、ついには離れて暮らすマチルドの父親が彼女らを案じやってくるのだが……。