【#9】
ある日、日暮里警察署管内で傷害事件が発生。安西留美子(遊井亮子)という女性が公園で何者かに刃物で切りつけられた。たまたま通りかかった日暮里警察署の刑事・神保徳之助(小林稔侍)の同僚・宮本刑事(松尾伴内)が犯人の男を目撃したが、男は走り去ってしまう。徳之助や宮本が捜査を始めようとした矢先、捜査一課の北村(小林健)らが日暮里警察を訪れ、「今後は自分たちが捜査を行う」と言って捜査資料一式を持ち去ってしまう。実は公園で発見された凶器から出た指紋が、10年前に発生した殺人事件現場から見つかった指紋と一致したのだ。しかも10年前の殺人事件は被疑者死亡で幕が引かれていた…。
日暮里警察署の刑事である神保徳之助(小林稔侍)は駅弁が大好き。駅弁フェアに行っては、フリーライター・工藤美奈子(遠藤久美子)と全国の駅弁を奪い合っている。徳之助は、“定年になったら日本全国駅弁めぐりの旅をする”と亡き妻と約束しており、それが果たせなかった妻への思いも込められていた。ある日、IT関連会社社長の黒崎(結城貴史)が殺される。徳之助は現場に駆けつけるが、警視庁の捜査一課の刑事たちに一蹴される。捜査一課を率いているのは、係長の北村祐介(小林健)という若手エリートだった。北村は黒崎の殺人事件を物盗りの犯行と断定。現場に落ちていた遺留品から捜査を始め、ほどなく山名(吉永雄紀)という男に当たる。山名は自供し、事件は簡単に解決したかのように見えた。しかし物盗りの犯行という捜査方針に最初から疑問を抱いていた徳之助は、独自に聞き込みをして、新たな証拠を捜し出す。それは山名が犯人ではないことを証明するものだった。そして山名も自白を翻す。警察が誤認逮捕をしたとなれば、エリートである北村の経歴にも傷が付く。新たな証拠から目をそらす北村に対して、徳之助は「それが目指してきた警察官の姿か?」と問う。実は北村は、徳之助がかつて一緒に組んでいた同僚の息子だったのだ。北村の父親は捜査中に犯人に撃たれて殉職、徳之助はその責任を感じて密かに息子の北村を長い間見守ってきた。そして再び、殺人事件が発生。殺されたのは黒崎と同じ山形出身の男だった。この二つの事件につながりを感じた徳之助は山形県天童市へ向かう。
キャスト:小林稔侍、小林健、遠藤久美子
監督:吉村達矢、上野貴弘