『風の又三郎』
風が強い日の朝。
山奥の小さな小学校に、おかしな赤い髪の転校生が現れる。
嘉助は転校生が“風の又三郎”だと言ってはやし立て、
級長である一郎は興味を持ってはいたが、なかなか親しくなれずにいた。
そんなある日、学校のみんなで遊びに行った先で、深い霧の中に迷い込んでしまい、
嘉助は意識を失いかける。
その時、ガラスのマントを着た又三郎が現れ…。
『よだかの星』
よだかは、醜い容姿のせいで他の鳥たちから疎まれていた。
プライドが高い鷹は、そんな不格好なよだかが自分と同じ“たか”という名前を
名乗っていることが気に入らなかった。
よだかは鷹に「もし改名しないのならば酷い目に遭わせるぞ!」と脅されてしまう。
理不尽な要求に、よだかは深く悩み苦しむ。
そしてとうとう意を決し、空に輝く太陽に向かって飛び立つのだが…。