「こいつ、プロレスやって大丈夫か?」「今まであんな人いなかった」「焦ってる」「根性だけはある」「二重人格」「キライです」――安川惡斗に寄せられる仲間たちからの言葉。カメラは、顔にペイントを施し、“悪の女優魂”をキャッチフレーズでリングに上がる彼女の、秘められた素顔に迫っていく。自身の口から語られる中学時代のいじめ、レイプ、自殺未遂。人生を諦めかけていた時、1人の医師からの言葉に救われ、東京で出会った演劇と女子プロレスによって、彼女は再生の道を歩み出す。ヒール=悪役レスラーとして活躍を始めた彼女だったが、相次ぐケガに見舞われ、思いもよらぬ病にも襲われる。そして、世間を騒がせることとなった壮絶な喧嘩マッチの末の「顔面崩壊事件」…。傷つき、何度となく倒れても歩みを止めず、“がむしゃら”に生きている彼女の姿と言葉の一つ一つは、未来に希望を持てずに閉塞感を感じている人々に、感動と勇気を与えてくれるだろう。