富山県の漁港で殺人事件が起きた。事件によって、かつて親友だった3人は、刑事、容疑者、被害者として再会することになった。刑事・四方篤は、妻へ自分の心を伝えられず、すれ違いの日々を送る。容疑者・田所啓太は、会社の好転、妻の妊娠、新居の建築と幸せの絶頂の中、なぜ、事件の真相を語ろうとしないのか。被害者・川端悟は、倒産寸前の会社と家族のため、金策に奔走していた。なぜ、殺されなければならなかったのか。25年前、親に捨てられた3人は、涼子が営む喫茶に身を寄せ、まるで家族のような間柄になった。だが、ある事件を機に、その幸せは終わった。3人の過去に何があったのか。複雑に絡みあった壮大な人生のドラマは、25年の時を経て、再び運命の歯車を回し始める。