初老の男性が妻と訪れた温泉地で、硫化水素中毒により死亡した。担当刑事・中岡は、遺産目当ての計画殺人ではないかと疑いを抱く。警察からの依頼で調査を行った地球化学の専門家・青江修介教授は、「気象条件の安定しない屋外で、致死量の硫化水素ガスを吸引させる計画殺人は実行不可能」と事件性を否定した。しかし、同じ自然現象による事故が連続して起こり、被害者が知人同士だった…単なる偶然なのか?だが、もし事故でないのであれば、犯人は【その場所で起きるすべての自然現象を予測していた】ことになる。絶対に不可能だ。未来を予見する知性=「ラプラスの悪魔」など存在するはずがない……。行き詰る青江の前に、羽原円華という女が現れた。円華は青江の目の前で、これから起こる自然現象を言い当ててみせた。円華の「予知」に隠された秘密とは?青江の想像をはるかに超える、おそるべき全貌とは!?