松浦屋という大きな海産物問屋を営んでいた清左衛門は、時の長崎奉行・土部三斎らの謀りであらぬ罪を着せられ、財産は没収され一家離散となってしまった。一人残されたお雪は、旅役者・中村菊之丞の手に助けられる。それから十年、お雪は成長して雪之丞となり、死んでいった父母のため、復讐に燃え、仇討ちの機会を窺っていた。そんな折、雪之丞は花村屋雪之丞一座として江戸初舞台御目見えを行い、客席には仇の標的が次々と現れたのだった。仇のひとりである土部三斎は、娘の浪路(北沢典子)も同席させており、娘は雪之丞に惚れ込んでしまう。別席で見ていたスリ師のお初も雪之丞に一目ぼれ。ある晩、雪之丞はお初に後をつけられ、仇討ちの秘密を知られてしまうのだった・・・