停電の夜、久住助教授は大学の研究室で6年前の不思議な事件を思い出していた。病気を患う彼の妻・頼子のために、故郷に戻り開業するが、住んでいた家は幽霊屋敷と呼ばれていた。そしてその日から頼子の目の前に気味が悪い老婆が現れるようになり、頼子を執拗に狙い、襲い掛かろうとする。村の歴史に詳しい了福寺の和尚は、その老婆は屋敷に取り憑いた化猫の怨霊だろうと言う。この屋敷は、元々大村藩の家老・石堂左近将監が住んでいた。彼はとても短気で、碁の師匠・龍胆寺小金吾を些細な理由で切り殺してしまう。そして若党の佐平治を脅して壁に死体を塗り込み隠蔽。小金吾の母には嘘を伝えるのだが…。