実の母と娘との愛憎と葛藤の日々を昭和20年代から30年代までの風景と現代との対比で描いた感動の人間ドラマ。わが子に理不尽な暴力を振るい続ける母親・豊子と、そんな母親を愛した娘・照恵の2役に原田美枝子が迫真の演技で挑んだ。モントリオール映画祭国際批評家連盟賞ほか、国内でも多くの映画賞を受賞した。高校生の娘と二人暮しの照恵が、幼い頃死別した台湾人の父の遺骨を探す旅に出る。旅の途中で、彼女の脳裏によみがえる少女時代のつらい思い出の数々。照恵はホステスの母親に来る日も来る日も殴る蹴るの暴力を受けていた。やがて、父と母の出会いの経緯を知った照恵は、自分自身が抱えてきた複雑な思いと向き合うために、母・豊子に会う決意をする……。