海のように広大なドナウ川のほとり、マトゥコとザーレのデスタノフ父子が、ほかのジプシーたちと同様に、豚や馬や鳥の群れと自然の中で暮らしている。黒猫と白猫もいる。マトゥコは一人ポーカーに熱中するほど賭け事好きのダメおやじ。自分はダマシの天才と信じているが、ロシアの密輸船マキシム・ゴーリキー号から石油を買って見事にダマされる。金に困ったマトゥコは父であるザーリェには見限られているので、中東からくる石油列車を強奪する計画を企て、父の友人でもあるゴッドファーザー、グルガに援助を求める。まんまと金を調達できたマトゥコだが、20輌もの石油列車強奪を実行するほどの資金は無く、また度胸も無い。新興ヤクザのダダンに助けを借りて、あわよくばダダンをダマすのが本音なのだが・・・