カーテン1枚、窓の外は死の世界。でも、生きる希望は決して捨てないー。第72回カンヌ国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した映画「娘は戦場で生まれた」で、世界の注目を集めた、未だ解決をみない戦地シリアの内情を、武器を一切持たない一般市民の女性の視点で捉えた緊迫のフィクション・ドラマ。舞台をアパートの一室、24時間の出来事に限定。暴力を視覚化した衝撃描写であおる手法は避け、聴こえてくる音と住人の反応によって恐怖を伝える演出は、戦地に実際に立ち会っているかのような究極の臨場感を醸し出す。戦争や兵器の映像を出さずとも、住人の心理的描写のみで、血も凍るような緊迫したサスペンス性を獲得した本作は、現在進行形のシリアの悲劇を世界に伝える役割を果たし、第67回ベルリン国際映画祭で見事、観客賞を受賞。その後も数々の映画祭を席巻し18冠を獲得。『シリアの花嫁』『ガザの美容室』の名女優ヒアム・アッバス、『判決、ふたつの希望』のディヤマン・アブー・アッブードが迫真の演技で競演。