ナチス最大の規模を誇るアウシュビッツ強制収容所。そこでは親衛隊が「働けば自由になる」とうそぶくが、働いても働いても、ここにいる限り死しかない。名前ではなく番号のみで呼ばれ、親衛隊に絶対服従。逆らえば、見せしめで自分が殺されるか、周りの者が撃ち殺される。毎日毎日繰り返されるこの惨状を、一人の男が世界に伝えなければと、死んでいった人々の国籍や年齢、性別などをメモに取っていた。脱走して成功した者はいなかったが、ここにいても虐殺は終わらない。惨状を知らせれば多くの命が救えるはずだと、仲間を誘い、2人で脱走を計画。協力者を募って、ついに実行の時を迎える。