この映画は、10年前から解体工事を待っているサイゴンの裏町の古い集合住宅を舞台にしている。この複合施設の誰もが、投資家を装う詐欺師である債権者から多額の借金を負っている。住民たちは自分たちのアパートを維持し、小さな夢をかなえるのに十分なお金を手に入れることを願ってギャンブルをする。しかし、彼らのその“小さな夢”の代価は、彼ら自身の命かもしれない。14歳の少年ロムは宝くじの当選番号の予想屋として生計を立てている。彼は幼い頃に両親と別れたため、古いアパートで不安定な生活を送っており、ベトナム中部地方にいると聞いた両親を捜すためにお金を稼ぎたいと思っている。宝くじはベトナムの庶民の間では一般的だ。それは、比較的小さな投資の割りに70倍の収益があがる可能性のあるものであり、労働者階級の人々が簡単に夢中になってしまう。予想屋たちは、最も幸運な宝くじの番号を投資家と相談することで手数料を稼いでいる。彼のライバルであるフックは若く野心的な予想屋で、当選の確立も高く、アパートの人々はロムより彼を信頼している。賭ける側も予想屋もどちらも迷信深く、毎日の生活の中でラッキーナンバーを選ぶサインになるようなことには細心の注意を払っている。より多くの顧客を獲得することを狙って、迷信を信じる顧客をだまして、しばしば現実の“当たり”に設定されているが実際には当たっていないシナリオを信じ込ませることさえある。ロムはあらゆる戦術を駆使して、路上で学んだトリックを使ってフックと競い合うが、お客をだましたりはしない。ロムは偶然にも、フックが長い間本に書かれている汚い手口を使って住民をだまし、借金をさらに膨らませていたことを知る。これが正しくないことに気付いたロムは、人々が当たりの数字を選ぶ手助けをすることでこれを変えようとする。ロムが勝てば、フックは全ての顧客を失う。アパートの住民たちは、ロムの幸運を信じ、借金をすべて返すために大金を賭ける。だがロムに賭けようとしたその時、ロムは消えてしまう。誰にも知られずにフックがロムを誘拐しすべての賭けを引き受けたのだ。しかし、ロム抜きの賭けをしている最中に、債権者たちは住民たちに借金が完済されない場合はアパートの引渡しを要求する。彼らが持っているすべてのものを賭けて、アパートの住民たちを救えるかどうかはロムにかかっている。ロムは彼らを救うことができるのだろうか──?!