ハリウッドでの成功を夢見る25歳のタイラーは、現実の壁にぶち当たり、夢を諦めるべきか苦渋の決断に迫られていた。とある短編映画で主演を務めたタイラーは、ある地方の映画祭に参加し、その時、誘われた「ボックス」という映画のオーディションで二次審査にまで進みチャンスを掴みかけていた。家賃を滞納し、部屋を追い出される寸前のタイラーは、是か非でもこのオーディションに合格しようと脚本を読み始める。映画の舞台は四方が壁の何もない、まるで空き箱のような部屋。そこに入ったはいいが、出口がなく閉じ込められてしまった男ルイスの物語だった。役作りにのめり込んでいくタイラーは、日常でもその役に囚われてしまう。