雨の日は、恐怖の“スタンド・バイ・ミー”ある理由で働き口が見つからなかったメアリーだったが、24時間営業の【ガス・スタンド】の面接に合格し、その日の夜から勤務することに。――実は彼女の元恋人は、世間を震撼させたシリアル・キラー【雨の切り裂き魔】だった。彼の自宅の地下室でいくつもの殺害現場を目撃したメアリーは、彼に脅され被害者を助けることが出来なかった。しかし、ある晩に彼の家に火を放ち、逃げることに成功。彼は捕まり、彼女は精神病院に収監された。事件以降、彼女は殺人犯だった彼と、助けることのできなかった被害者たちの幻覚に悩まされ妄想症を患ってしまう。彼女を悲劇のヒロインのように報じるニュースもあれば、「一緒に殺人を行っていたのではないか?」と好機の目を向ける人々もいた――。勤務初日の夜はあいにくの雨。ガス・スタンドに彼女がひとりでいる中、電話が鳴った。「殺人を見るのは好きか?」―恐怖に怯えるメアリー。果たして、これは現実かそれとも妄想か…。彼女の長い夜がはじまる。