エクアドル南部アマゾン熱帯雨林にあるシュアール族の集落、ケンクイム村。この秘境に暮らすセバスティアンとパストーラ夫妻は、変わりゆく世界と今なお生命力にあふれる森との狭間で生きている。かつて首狩り族として恐れられたシュアール族は、スペインによる植民地化後も武力征服されたことがない民族として知られている。口噛み酒を飲み交わしながら日々森に分け入り、生活の糧を得る一方で、彼らはアヤワスカを始めとする覚醒植物がもたらす「ヴィジョン」や自ら発見した薬草によって、柔軟に世界を把握していく。変化し続ける森との関係の中で、自己の存在を新たに紡ぎだしながら。しかし、ある日彼らに試練が訪れ、物語は予想を越えて旋回していく。