パルムの僧院―美しき愛の囚人―（’14年雪組・バウ・千秋楽）

フランスの文豪スタンダールが晩年に発表した長編小説「パルムの僧院」をミュージカル化。愛の為に命を懸けた若者の一途な姿を鮮烈に、また美しく描く。１９世紀初頭、イタリアの小公国パルム。名家に生まれた美青年ファブリス（彩風咲奈）は、ナポリの神学校を卒業し、聖職者として新たな一歩を踏み出すべく故郷に帰ってきた。育ての親である叔母のサンセヴェリーナ公爵夫人（ジーナ）（大湖せしる）は、見違えるように美しく、精悍な青年へと成長したファブリスに一瞬にして心を奪われる。彼女の目には、甥としてではなく一人の男性として映ったのだ。舞踏会でファブリスは、ジーナの計らいにより大公エルネスト４世（一樹千尋）に謁見する。しかし、ジーナに執心する大公は、親しげに語らう二人を見咎め、嫉妬心を抱くのだった。そんな中ファブリスは、牢獄の長官の娘クレリア（星乃あんり）と出会う。清らかな美しさを湛えるクレリアに心惹かれるファブリス。クレリアもまた、ファブリスに淡い恋心を抱く。そして、熱い視線を交わす二人の姿を目の当たりにしたジーナは、焦りとも嫉妬ともつかない感情にとらわれるのだった。　〜スタンダール作『パルムの僧院』より〜／脚本・演出：野口幸作

» ご希望の作品が見つからない場合