加茂伸之介(寺脇康文)は、十年ぶりに古巣の京都府警捜査一課に舞い戻ってきた。犯人を追い詰めるためには多少のルール違反などは当たり前、始末書をどれだけ書かされようが、それでも刑事のプライドに賭けて必死に事件を追い続ける、それが加茂の信条だった。だが、十年前、ある事件がきっかけで処分され、奥丹波署に左遷されて妻とも離婚、妻に引き取られた一人娘の陽子とも離れ離れに暮らすことに。そんな加茂を府警本部に呼び戻したのは捜査一課長の三原脩太郎(金田明夫)、十年前に彼を飛ばした当人だった。異動前夜、京都市内の怪しげなキャバクラで鼻の下を伸ばしていた加茂は、この店が警察に摘発されたことから、客の一人として逮捕されてしまう。加茂はそのまま他の逮捕者とともに護送車に乗せられて府警に向かうが、途中、一人の男(田中圭)が飛び出してきて、護送車に発砲、さらに銃を構えながら「中にいる清水を出せ!」と、大声を上げる。だが、護送官によると、清水という名の男は車内にはいないというのだ。そんな中、パトカーが駆けつけ男は逃走してしまう。翌日、加茂は留置所から登庁ということになってしまう。加茂が配属されたのは“捜査一課強行犯六係”。武藤係長(田辺誠一)の指揮のもと、無駄なくシステマティックに動く、いわば“新世紀の捜査官集団”で、加茂は、佐々木雪子(富田靖子)、真島航輝(戸次重幸)ら強行犯六係の刑事たちからまるで相手にされない。係長の武藤からは「捜査には手も口も出さないでください」と言われる始末。やがて、護送車の中にいた青木(阿部進之介)という窃盗犯が男の言う“清水”ではないかとわかるが…。