古代ギリシアの作家アイスキュロスの悲劇作品三部作「オレステイア」をモチーフに、亡霊たち、忘れ去られた記憶、過去と現在、姉と弟の想いが交錯する復讐劇。時は19世紀末パリ、ベル・エポックと呼ばれる都市文化の華やかさとは裏腹に、汚職と貧困が蔓延り、一部の民衆の間には無政府主義の思想が浸透していた。そんなパリの街へ、青年オクターヴ(永久輝せあ)が姉のアンブル(星空美咲)と共に帰って来る。二人の目的は、幼い頃、資産家の父オーギュスト(和海しょう)を殺害した母クロエ(紫門ゆりや)と叔父ギョーム(飛龍つかさ)達への復讐であった。父の死後、母は叔父と再婚。姉弟は田舎の寄宿学校を卒業した後、オクターヴは新聞記者に、アンブルは歌手となって暮らしていたが、祖父の葬儀を機にパリへ戻った。怪しげな下宿に移り住む二人に、素性の分からない男ヴァランタン(聖乃あすか)が近づいて来る。やがて姉弟の企みは、異父弟ミッシェル(希波らいと)、その許嫁をも巻き込んでゆく…。 作・演出:指田珠子
2022年/花組/キャスト:永久輝せあ