夜修独（やしゅうどく）は玉清落（ぎょくせいらく）から別れを告げられたショックを隠せないまま、4か国大会の特別試合に出場すると于作臨（うさくりん）と対戦する。一方、玉清落は于作臨から南南（なんなん）の父親について聞き出そうと危険な作戦を実行、夜修独に窮地を救われる。その後、街で発疹の出る傷寒が流行し、皇帝から3日以内に病を終息させるようにと命じられた玉清落は…。

夜修独（やしゅうどく）がくれたヒントから無事に傷寒の治療薬を作ることができた玉清落（ぎょくせいらく）。だが、夜修独に片想いする九公主・柳湘湘（りゅうしょうしょう）が役人と乗り込んできて、玉清落の誤診で患者たちの病が再発していると主張する。その裏には陰謀があると察した玉清落は夜修独、離子帆（りしはん）とともに調査を開始。怪しい動きをしていた楽師・孤夜白（こやはく）の行方を追うと…。

孤夜白（こやはく）が南南（なんなん）の実の父親だと名乗り出たことに戸惑いを隠せない玉清落（ぎょくせいらく）。一方、南南はご機嫌取りがうまい孤夜白に懐き始めるが、不信感を拭えない夜修独（やしゅうどく）と離子帆（りしはん）は彼の一挙一動を見張り始める。また、金琉璃（きんるり）は6年前、修羅門の刺客だったときに出会っていた夜浩然（やこうぜん）と再び急接近。そんな2人の仲を玉清落と夜修独も応援して…。

玉清落（ぎょくせいらく）は南南（なんなん）の誕生日を祝う宴で孤夜白（こやはく）が実の父親だと打ち明けるつもりでいた。そして当日、宴には夜修独（やしゅうどく）を除いた親しい仲間たちが顔を揃える。だが、孤夜白が南南に贈る琴の楽曲を披露すると、聴いていた玉清落たちは次々と眠りに落ちてしまう。しかも、そこに現れた于作臨（うさくりん）が玉清落を殺して「神農医典」を奪おうとして…。

「九幽聖典」の中巻が開いたことにより、貢穆烈（こうぼく・れつ）が、戦死したとされる父・貢穆浩（こうぼく・こう）の行方を探るために墟霊境を訪ねた時の様子が判明した。貢穆山（こうぼく・さん）は、重明（ちょうめい）が息子の生存を匂わせるような発言をしたことに、わずかな希望を抱くのだった。一方、中巻のおかげで、徐々に秦烈（しん・れつ）と凌語詩（りょう・ぎょし）の素性が明らかになってはきたものの、依然として謎は残されたままで…。

李牧（り・ぼく）と段千劫（だん・せんきょう）は、巫虫を使って黒玉城で騒ぎを起こした黒巫教の夜憶皓（や・よくこう）を捕らえた。しかし、民を蝕んでいる第一巫虫は、巫主・江厭（こう・えん）の死後は消息が途絶えたはずで、憶皓ごときに育てられるわけがない。誰の指示か、目的は何かと厳しく問い詰められる憶皓。すると彼は“時は来た”と不敵に笑いながら李牧の手をつかむのだった。その行動が憶皓の策略だとは、誰一人知る由もなく…。

赤焔の火で製錬した霊器である勝邪（しょうしゃ）。貢穆（こうぼく）家に帰順したこの剣は、使い手である貢穆烈（こうぼく・れつ）の残虐さの影響を受けることで強い殺気をまとい、殺戮の道具に成り下がっていた。勝邪の苦しみや怒りを感じ取り、大地の力で殺意を取り除いて本来の姿に戻したのが無純（ぶしゅん）である。そして、ここまで秦烈（しん・れつ）を守り導いてきた李牧（り・ぼく）こそが、この勝邪だったのだ。眠りから目覚めた勝邪は…。

黄金勢力の者たちと戦っている最中、危機に陥ったはん・せんせんをかばい斬り伏せられた以淵（いえん）。息絶えた彼を不安そうに見つめる蓮柔（れん・じゅう）に対し、以前、謎の人物に刺し殺されたものの、しばらくして以淵が何事もなく目を覚ました様を目の当たりにしているせんせんは、今回も絶対に生き返るはずだと信じるのだった。その頃、以淵の意識は“あの時”と同じ場所に来ていた。彼の目の前には見覚えのある子供が…。

「また生き返ったんだよ」――以淵（いえん）は、そばにいたはん・せんせんに抱きつきながら喜んだ。せんせんもうれしい反面、蓮柔（れん・じゅう）の目があり、気まずくて仕方ない。一方の蓮柔は、笑みを浮かべつつも、以淵の想い人が自分から彼女に変わってしまったことを密かに寂しく思うのだった。その後、秦烈（しん・れつ）、以淵、せんせん、蓮柔の4人は、第一巫虫に侵されている凌語詩（りょう・ぎょし）の所へ向かうことを決めたのだが…。

“会いに来る”という約束を破った無純（ぶしゅん）に、貢穆烈（こうぼく・れつ）は腹を立てていた。来なかった理由を尋ねてもはぐらかされ、“君も皆と同じ意気地なしの偽善者だ”と吐き捨てる貢穆烈に、会うのを禁じたのは私だと無純の母・重明（ちょうめい）が言う。それと同時に、かつて貢穆烈の父母である人族の貢穆浩（こうぼく・こう）と、神族の玄珞（げんらく）が恋に落ちたことで何が起きたかを話して聞かせた。すべてを知った貢穆烈は…。

“大事にしてくれる相手を探すと約束して”。以淵（いえん）は、凌萱萱（りょう・けんけん）の手を握り、彼女をまっすぐ見つめながら告げた。その言葉が別れを意味していると悟ったうえで、当たり前だと強がる萱萱。しかし、その視線は寂し気に揺れている。もう行かなければと立ち去りかけた以淵が、再び振り返って言った。「心は変わるもの。また誰かを愛していいんだよ」。彼の言葉に、分かってるからと答えたところで目を覚ました萱萱は…。

夜仙児（や・せんじ）は、わざと凌語詩（りょう・ぎょし）に自分の策略だと見破らせただけでなく、意識下におびき寄せ足留めまでしていた。何がしたいのかという語詩の問いに、仙児はゆっくり目を閉じながら、「もうすぐよ」と笑みを浮かべるのだった。一方その頃、仙児の作った幻覚の中では、秦烈（しん・れつ）が素羅界の殺修相手に1人で戦っていた。その姿に心を動かされた杜少揚（と・しょうよう）は、四大霊器として覚醒することを決め…。

和歌メディアの所有する狂虎隊ボクシングジムは、和歌の株主である投資家のシュー・ヌオの経営方針により、解散の危機に追い込まれてしまう。狂虎隊コーチのリー・ダーの娘で、心理学を学んでいるコー・スーイーは、大事なジムとチームメイトを守るために身分を偽ってシューの専属ボディーガードとなり、彼の動きをなんとか阻止しようとする。

心理学研究の治療ボランティアと失感情症患者として、互いに相手を知らぬまま共に治療を行なっていたスーイーとシュー。しかし、最後の治療の際に起きた機器トラブルの影響で、二人の身体には奇妙な異変が出始める。やがてスーイーの身体が味わう痛みを代わりに感じるようになってしまったシューは、ある特別な“痛み”を経験してしまう。

スーイーの義理の妹のユンジューは、スーイーへの嫉妬心と更に良い条件で戦えることを望み、家族と狂虎隊から離れてライバルの黒龍隊への移籍を考えるようになっていた。２人を繋いでいたスーイーの母の形見のブレスレットを、ユンジューに返されてしまったスーイーは、願いの泉にそのブレスレットを投げ入れて幸せを呼び寄せようとするが。

ユンジューが去りチャンピオン不在となった狂虎隊は、ジム継続の望みを失うこととなり、チームメイトのリン・ウェンらは怒りを露わにする。その頃、和歌の新会長兼CEOに就任したシューは、厳しい整理解雇を開始していた。彼の冷酷さに反感を覚えるスーイーに、顧問弁護士のチョウ・イエンシンはシューが感情を失った秘密を打ち明ける。

ウェンを気に入ったイエンシンは猛烈なアプローチを開始する。一方シューは、自分の身体がスーイーの痛みを感じてしまうのは幻覚ではない事を確信し、彼女の危険な行動を防ぐために、住み込みのボディーガードになるように命じる。一連の彼の態度を好意だと勘違いしたスーイーは、迷いながらも狂虎ジム存続のためにと同居契約を結ぶ。

シューと同居を始めたスーイーは、なぜか感情の起伏が激しくなり戸惑っていた。週が明け、２人が出社すると、社員たちがシューの誕生日祝いにバースデーケーキを準備しており、それを見たシューは表情を失い部屋に閉じこもってしまう。その時、強い悲しみを感じ取ったスーイーは、自分の心に浮かぶ感情が彼のものだったと気が付いて……。

かねてより問題になっていた狂虎ジムを巡る和歌への中傷記事の書き手が、社員のリアン・ジーシアオだったことを知ったイエンシンとシュー。スーイーから彼が元カレだと聞かされていた2人は、嫉妬からの行動だとこの件を分析し、シューは処分を保留する。しかし、ジーシアオがスーイーと揉みあって、抱き合う場面を目にしたシューは……。

ユンジューがジーシアオに想いを寄せていたことを知らず、彼女を怒らせたスーイーはすっかり落ち込んでしまう。そんな折、スーイーは、前和歌社長のウー・ドンドーから狂虎ジムの解体計画を潰す代わりにもちかけられた情報提供の依頼を受け、シューたちがウーと競っている小説家メイホワルーとの契約内容をリークしてしまうのだった。

情報漏洩の疑いがスーイーに向けられるが、シューはそれを否定し彼女を守る。しかしメイホワルーとの契約打ち切りが決まったことで、シューには社内外から批判の声が殺到し、取締役会からも退任の声があがる騒動になってしまうのだった。そんな中、偶然出会ったユンジューが“幸運のブレスレット”を身につけているのを目にしたシューは……。

ユンジューがかつて自分を助けてくれた恩人だと思い込んだシューは、ジーシアオと彼女の提案する格闘技番組の制作を突然許可し、何かとユンジューを特別扱いして、スーイーをイラつかせるのだった。一方、番組を利用して狂虎ジムをなんとか再建させたいジーシアオは、スーイーが正体を隠して番組に出演し、ユンジューと対決することを提案する。

シューの看視の目をくぐりぬけ、スーイーは番組出演に向けて秘密のトレーニングを開始する。一方、イエンシンからユンジューとスーイーのどちらが好きかをはっきりさせるよう助言されたシューが、ときめき具合を測る実験のためにユンジューを抱きしめると、その場にスーイーが現れ、2人のハグを目撃した彼女はついにヤキモチを大爆発させる。

ジーシアオの番組は好調なスタートを切り、放送記念祝典が開かれた。格闘技の女神と称され大人気のユンジューとシューに注目が集まる中、ウーが突然会場に現れ、2人が恋人同士ではないかと騒ぎたてるが、シューはそれを否定せずに会見を終わらせてしまう。その様子を見てショックを受けたスーイーは泥酔したあげく、シューにキスを迫って……。

シューから自分への恋心は持たないと言われてしまったスーイーは深く傷つき、2人の関係はぎこちなくなってしまう。そんな折、彼女の身を心配するジーシアオに、ボディーガードを辞めるよう助言されたスーイーは、ウーのスパイとなってシューを騙している罪悪感が拭いきれず、これを機にシューの元を去ろうと決意するのだが。

狂虎隊の存続をかけて格闘技番組で勝ち続けるスーイーだったが、シューとの関係はこじれたままに。しかしある時、シューとジーシアオがスーイーを巡って殴り合いのケンカとなり、スーイーが咄嗟にシューを助けたことが突破口となり、２人は元の生活を再開するのだった。一方ユンジューは、ある大事な相談をジーシアオに持ちかけて……。

ジーシアオに公開告白をしたユンジューを守るために、シューは自分が一方的に彼女に想いを寄せて番組出演を頼んだと虚偽の声明を公表し、彼の言葉が本物だと信じてしまったスーイーは落ち込んでしまう。同じく声明に驚いたユンジューに呼び出されたシューは、幸運のブレスレットにまつわる自分の過去と本心を彼女に全て打ち明けるのだが。

スーイーに続いてリンも試合に負けてしまい、狂虎はまたしても苦しい状況に追い込まれ、見通しが立たない状況に。そんな中、スーイーは大学の卒業式の日を迎える。イエンシンから、ジーシアオがスーイーに卒業式当日にプロポーズすることを計画していると教えられたシューは、大慌てで会場に駆け付け、遂にスーイーへ愛の告白を果たし……。

番組の試合に復活が決まったスーイーは、シューへの影響を心配して、心理学の研究所に2人で向かい、痛みと感情の入れ替わりについて相談しようとする。しかし、入口でウーの部下が張り込んでいるのにスーイーが気付き、その場をかわすも、2人の親密な関係に目をつけたウーは、彼女にシューの情報を更に詳しく調べるよう圧力をかけ始める。

シューが譲渡する株式を買戻し、会社を取り戻すことを画策するウーは、スーイーに更に厳しくシュー側の情報提供を求めるように。シューをウーから守りたいスーイーは、ジーシアオの協力を得て、SNSを利用した封じ込め作戦を展開させようとする。一方、スーイーがウーに利用されていると感じ始めたシューは、彼女を守るために離職を促すが。