20世紀の中ごろ、ギリシャのある寒村シミトラを突然大きな地震が襲う。村に住む幼い兄妹は家族を喪い離れ離れになる。「歌手になって歌を歌いたい」…妹がいつも話していた夢を頼りに、兄はパリを目指す。一方、たった一人の兄とはぐれてしまった妹は、旅の一座に拾われて故郷を遠く離れていく。両親を失い心に大きな傷を負った彼女にあるのは、突き抜けるような青空と、誰かといつも一緒に唄っていた歌。
故郷のギリシャから、イタリア、フランス…兄妹はいつの日か再会するため、大戦の悲劇を乗り越えて復興へと向かうヨーロッパの地で、力強く歩み続ける。