『シンデレラマン』完全攻略ガイド〜「御曹司」と「お坊ちゃん」
大きなカバンを抱え、店から店へと飛び回る男。彼こそ安物の服やコピーものの卸商オ・デサンです。今日、仕事仲間の死を聞いて葬儀場に駆け付け、初めて故人の娘ユジンに会いました。あまりの悲しみに故人の妻が倒れデサンが背負って病院に運びますが、ユジンは感謝を言うでもなく複雑な表情を浮かべているだけ。ユジンはパリ留学中でしたが、父が死んで経済的に断念せざるをえないことに。デサンも協力を惜しまないつもりですが…。
父の死の知らせを受け、パリから帰国した人物がもう一人。「ソフィア・アパレル」社長の次男ジュニ。ジュニは母が死んで、家に入った継母や義兄とうまくいかず、外国暮らしを余儀なくされていました。久しぶりの帰国。空港には祖母の執事が待っていました。葬儀後に公開された父の遺言状には、「ソフィア・アパレル」の相続分はジュニと義兄ジェミンは40%づつ。ジェミンが後継者と思い込んでいた継母とジェミンは、ひどく慌てます。
デサンは水商売のお姉さんに営業するため、クラブにも出かけます。この日はコワイお兄さんにからまれ、いつの間にかフロアに飛び出してしまいました。不意に男にぶつかり振り返ると、デサンは立ちつくします。相手も全く同じ反応。しかし驚きはそこまで。とにかく追っ手から逃げるため、デサンとデサンにそっくりのジュニは車でその場を走り去ります。途中でジュニはデサンを怒らせてしまい、その場に置き去りにされてしまいました。
大量オーダーが入り、デサンは指定されたホテルに向かいます。ドアが開くと、先日のジュニがデサンを部屋に招き入れました。ジュニはデサンに「イ・ジュニになってくれないか」と言います。服を買ってくれるのでもなく、突拍子もないことだけ頼まれて、デサンは気をそがれ東大門市場に戻りました。そこでユジンの困窮を目の当たりにします。デサンはジュニのホテルに戻り、金が必要だからとジュニの代役を引き受けると告げました。
ジュニの義兄ジェミン役のソン・チャンウィは実はクォン・サンウよりも年下。チャンウィは79年生まれで、サンウは76年生まれ。カメラの外ではチャンウィがサンウをヒョン(兄さん)と呼んでいたそうです。チャンウィは、02年にミュージカル「ブルー・サイゴン」でデビューして知名度を上げ、ドラマや映画にも進出。『ウェディング』『イ・サン』や映画『僕の、世界の中心は、君だ。』『バッチギ!LOVE&PEACE』にも出演しています。
ソ・ユジン役のユナは、アイドルグループ「少女時代」のメンバー。グループ名は「少女たちの時代が来た」という意味で、9人のメンバーは皆、歌手以外の活動も行い、英語や日本語など語学が得意。ユナは中国語が堪能だそう。少女時代は07年デビューし、ユナは08年に「君は僕の運命」で女優デビューを飾って「シンデレラマン」はドラマ2作目。90年生まれの20歳ですが、14歳年上のクォン・サンウと堂々のラブシーンをこなしています。
ドラマの中で、ファッション界の大物として登場するエレガンス・チェ。韓国人なら誰しも、このデザイナーのモデルはアンドレ・キムだと想像することでしょう。韓国を代表するデザイナーで、見た目では年齢は不明。女性的な優しい話し方、顧客は上流マダムか芸能人。この人とコネがあれば、業界でうまくいけたも同然でしょう。ちなみにアンドレ・キムは70代と伝えられますが、エレガンス・チェを演じるイ・ビョンジュンはまだ40代です。
東大門市場は南大門市場と並ぶソウルの二大市場で、外国人観光客に人気の観光名所。地方から買い付けに来る人が集まる、夕方から翌朝にかけてからが最も賑わう時間帯です。朝鮮戦争後は何でも商っていましたが、衣料品店舗が飛び抜けて発展しました。3万以上の店、年間売り上げは10兆ウォンを越えています。ここから出世していったデザイナーやアパレル会社も少なくなく、コリアン・ドリームの地、奇跡の空間とも呼ばれています。