韓国ドラマ:「バラ色の人生」完全攻略ガイド〜あなたにとって、バラ色の人生とは?
スンイはいつものことと姑の小言を受け流しながら、舅のチェサ(法事)の準備をしていると、実父が事件を起こしたとの連絡が入ります。あわててスンイが警察に駆けつけると、父はヤモメ暮らしの寂しさと、長男の帰国を待ちわびてすっかり酒浸りになっていました。独身の妹ヨンイは仕事の忙しさから実家に寄りつかず、スンイが父の面倒を見ることになります。あれこれと世話をしてスンイがチェサに戻ると、舅の愛人とミス・ポンが現れて大騒ぎとなり、チェサどころではなくなります。さらにスンイの苦悩に追い打ちをかけるように、夫のソンムンが突然、離婚を切り出します。
離婚を切り出されてから、スンイは秘かにソンムンを尾行。ソンムンと愛人が口ゲンカする現場を目撃します。
愛人はスンイよりも若く色気のある女性。ショックを受けたスンイは鏡を見ます。
家族のために自分を犠牲にしてきた顔は、あまりにも老け込んでいました。義妹の夫はソンムンの浮気を認め、妹のヨンイはソンムンの気持ちが戻るのを待ちなさいと言うだけ。同じ経験をしている姑を味方にしようと考えますが、却って興奮させてしまいます。
実家の父は一人実家で長男の帰国を待ちながら、酒に溺れて日に日に身体が弱っていきます。長男はアメリカに定住し家庭も持って帰国する意志はないとは、とてもスンイは言えません。スンイも嫁ぎ先の手前、父の面倒を見に行くことには限界があります。ヨンイが金を出しお手伝いさんを父のもとに送りますが、父はスンイが来るべきだとお手伝いさんを追い出してしまいます。スンイは父を福祉施設に入所させるため、代行運転のバイトを始めます。
スンイは夫婦の離婚のいざこざに娘たちを巻き込み、申し訳ない気持ちでいました。がそんなスンイに対しソンムンは新妻となるミジャとデートを楽しみ、新しい生活を夢見ていました。スンイは町を彷徨い、嫌というほど孤独を味わいます。ソンムンはスンイの提示した離婚条件を全て呑み書類を作成しますが、スンイはその書類をソンムンに内緒で隠してしまいます。ミジャから早く離婚手続きを済ますように急き立てられ、ソンムンはスンイに迫ります。
ソンムンに書類を出せと責められ、スンイは意識を失います。これまでにも自覚症状がありましたが、医者に診てもらうことなく市販の薬で痛みを何とかごまかしていました。しかし自分の病気を認めざる得ないほど、激痛が容赦なくスンイを襲います。その間も姑と義妹はスンイを離婚させようと色々と画策していました。自分が末期ガンであると知ったスンイは呆然としますが、2人の娘、父のことを考え、最後の手段として手術を受けようと決心します。
「星に願いを」「あなた、そして私」など韓国ドラマのひと時代を築いたチェ・ジンシル。人気絶頂でプロ野球選手チョ・ソンミンとの結婚を機に引退し、2人の子供をもうけましたが離婚。そんな彼女のプライべートとよく似た設定のこのドラマを、彼女は敢えて芸能界復帰第2作目に選びました。「これまで作られたイメージの中でやってきましたが、これからが本当の私を見せる時」と宣言。その意気込みは迫力ある演技に繋がっています。
ミス・ポン役のキム・ジヨンは現在70歳。継母との折り合いが悪く家出し、父の知り合いの俳優を頼って女優を志したのが18歳の時。まるで韓国ドラマのようなスタートを切りました。当時の俳優は自費で衣装や小物を買い揃えなくてはならず、病気の夫を抱えた彼女はお金がないため良い役を選べず脇役ばかりをやってきました。今やキャリア50年以上。今回のミス・ポンの衣装は、彼女自身が南大門市場の隅々まで歩いて探したものです。
次々とヒロインに押し寄せる不幸と苦悩。このドラマの脚本を担当したムン・ヨンナムは書きながら泣き、泣いては書きの作業を繰り返しました。年下の男性と主婦が恋に落ちるトレンディドラマが多い中で、「バラ色の人生」のヒロインは、自分を犠牲にしてまで家族にとことん尽くす主婦。平均視聴率40%台を獲得、リアルでオーソドックスな設定が人々の共感を呼ぶことを証明しました。出演者も演技で泣き、撮り終えたシーンを見て泣いていたそう。
韓国で放映中はドラマの進行につれ、「これ以上、流す涙がなくなった」「スンイをどんなことをしても、幸せにして欲しい」という意見がテレビ局に殺到。中には「スンイに何度も試練を与えるなんて、制作者たちは残酷すぎる」と非難の声まで寄せられました。そんな視聴者の熱意に押され、予め用意されていた結末やストーリーが変化するのも韓国ドラマの特徴。スンイの“バラ色の人生”は24回まで続きますが、果たしてラストはどうなる!?